東京都は12月25日、東京都の防災プランを策定したと発表した。首都直下地震や風水害などの災害に備え、オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに住民や企業、行政がそれぞれあらかじめ備えるべき防災の取り組みをまとめ、分かりやすい内容で示した。都は「世界1安全・安心な都市にふさわしい災害対応力を備えた都市」を目指す。

プランは、「区部・多摩地域における地震」「島しょ地域における地震」「都内各地における風水害」の3つの場面を想定し、時系列で想定される事態をシナリオ形式で記載しているのが特徴だ。

例えば地震に対しては、発災直後に強い揺れに襲われ、自宅が倒壊。数時間後には倒壊した家屋の1部から出火し、避難場所へ移動するが水も出なく、トイレには長蛇の列が並ぶといった、実際をイメージした踏み込んだ内容になっている。風水害に対しては、発災前、発災直前の段階から記載し、発災前の気象情報などの重要性を指摘した。

想定したシナリオをふまえ、プランでは2020年の将来像と、その実現に向けて備えるべき取り組みの方向性を記載した。各シナリオにおける将来像の概要は以下の通り。

・区部・多摩地域における地震
1. 建物の耐震化、更新等
2. 住民による救出活動の展開
3. 出火・延焼の抑制
4. 安全で迅速な避難の実現
5. 各種情報の的確な発信
6. 帰宅困難者による混乱防止
7. 円滑な避難所の開設・運営
8. 発災後3日間の生活を可能にする飲料水や備蓄品の確保
9. 公助による救出救助活動の展開
10. 迅速な復旧による早期生活再建

・島しょ地域における地震
1. 島しょ地域における迅速な避難の実現
2. 島しょ地域における備蓄・輸送体制の確保

・都内各地における風水害
1. 円滑な避難の実現
2. 浸水・土砂災害対策の充実・強化

「東京の防災プラン」の策定について(東京都)
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/bousai/1000019/1001121/1001559.html