写真上:工場全景。左半分が新棟部分 写真下:工場内部

精密加工装置・精密加工ツール国内大手製造メーカーの株式会社ディスコは、桑畑工場(広島県)に免震構造の新棟を竣工したと2月2日発表した。同社が生産する全ての精密加工ツールや精密加工装置を、免震構造を施した工場で生産できる体制を整えた。既存棟と接続し、現在よりも広い空間を確保することで、生産効率化も狙う。投資総額は約110億円で、地上8階建てで延べ床面積は約66,000平方メートル。600kWの太陽光発電と、装置の調整や出荷梱包をクリーン環境で実施できる大型クリーンルームも完備した。

主にスマートホンやタブレット端末などのモバイル機器市場がけん引し、半導体市場は拡大基調にある。同社の2014年度通期の売上高は、過去最高の1195億円を見込む。新棟の完成により生産可能量を現状の1.75倍に増強することで、将来の需要拡大にも対応可能にした。

同社はBCM(事業継続マネジメント)強化のため各工場の免震化を進めていたが、精密加工ツールの一部は非免震棟で製造していた。同社の精密加工ツールは世界でも70%~80%の高いシェアを占めるため、全ての工場の免震化が急務だったという。

新棟は1月30日竣工。2月以降順次稼働し、旧工場からの移設完了は10月を予定している。