国土強靭化アクションプラン2015

6月16日に「国土強靱化推進本部(安倍総理を本部長、全閣僚がメンバー)」にて決定された「国土強靱化アクションプラン2015」(国土強靱化行動計画)で、災害弱者などの生活支援に関する項目が拡充された。アクションプランは、国土強靭化基本計画を具体化するための施策で構成。1年ごとに見直すことが規定され、今回は2014年6月に策定したアクションプラン2014の改定版となる。

アクションプラン2014では、大規模災害時に行政と民間が一体となり、機動的かつ能動的に福祉人材を派遣し、要援護者の支援を行うため、平時から広域的な福祉支援ネットワークの構築や人材養成のための支援を行うことや、災害派遣医療チーム(DMAT)が災害後速やかに被災地に行けるように育成・研修などをすることを核としていたが、アクションプラン2015では、災害直後のDMATの活動に加え、心のケアを行う災害派遣精神医療チーム(DPAT)や、日本医師会災害医療チーム(JMAT)、大規模災害リハビリテーション支援関連団体協議会(JRAT)等、災害後の医療や福祉を担う団体の活動を重視。被災者が災害急性期以降も医療や心のケアを継続して受けられるよう、これらの団体との情報共有及び連携を図ることが具体的に盛り込まれた。

国土強靭化計画を推進する一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会のサブWG「災害避難に伴う寝たきり予防と災害弱者等の生活再建」の委員として参加している一般社団法人日本作業療法士協会理事の清水兼悦氏は「被災地では被災者の生活そのものが成り立たなくなる。寝たきり予防や災害弱者等の生活支援をするには、適切な環境調整および活動性の確保、孤立化対策がとても重要であると共に、被災された方々が共に支え合う地域づくりに参画されることが望まれる。その意味で我々リハビリテーションの専門職が早期から積極的に支援をしていく必要がある」とし、今回の改定を評価する。

東日本大震災では、地震や津波による犠牲者が1万5882人(行方不明者2688人)に対して、震災関連死は3194人以上とされる。