物資運搬や非常時の電源確保に威力・機動力を発揮

三英社製作所

独自のソーラー蓄電システムを搭載
三英社製作所(東京都品川区、大場雄介社長)は、独立型ソーラー蓄電システムと電動バイクを備える「防災ガレージ」を開発、近く本格販売する予定だ。防災用品を備蓄しながら、災害が発生した時には、ガソリンに頼らずに状況確認や物資運搬などができる。東日本大震災の後の被災地で、車での移動が困難な地域があったことや、ガソリンスタンドに長蛇の列ができたことなどを踏まえて開発した。

本体となる倉庫は、幅1790㎜・奥行3050㎜・高さ2375㎜のコンパクトタイプ。独自開発のソーラー蓄電システムは、約4kWhの大容量蓄電池と屋根部に設置する750Wの太陽光パネルを組み合わせたもので、停電時の非常用電源としてAC100VコンセントやUSBによる電力供給が可能だ。太陽光パネルは長野県佐久市に本社を置くケー・アイ・エス製を使用する。同システムは単体で発電・蓄電・充電を行うため商用電源は必要ない。全長1820㎜、重量83㎏の電動バイクは6時間の充電で約50㎞走行できる。

倉庫には水や食料、毛布、工具などを備蓄。大規模災害で燃料が入手困難になっても、電動バイクにより地域の巡回や救援物資の運搬で機動力を発揮できる。また、平時にも地域のパトロールなどに活用できるほか、除雪機や草刈機、車いすなどバイク以外の電動機器の充電もできる。

同社では「災害時への備え」として、まずは自治体や自治会などの組織を中心に導入を呼びかけていく方針だ。現在、販売網(代理店)の整備を進めながら、箱根町役場では実証試験も行っている。いまのところ販売価格は、蓄電システムと電動バイクもあわせて組立・設置費込みで200万円程度を想定している。防災ガレージに関する問い合わせは同社新事業・製品企画室/TEL03-3781-8708まで。

箱根町で実証試験中の防災ガレージ