2015/12/18
防災・危機管理ニュース
国立研究開発法人防災科学技術研究所(理事長:林春男)は、12月11日に公開シンポジウム「災害に強い社会に実現に向けた災害リスク情報の共有・利活用」を開催。同時に、研究者と地域の防災担当者をつなぐ「統合化地域防災実践支援Webサービス」の開発状況について発表した。現在は試験運用による有効性を評価している段階で、2017年度中の運用開始を目指す。
同サービスは、現在同研究所が運用している地域情報活用基盤「eコミュニティ・プラットホーム」をベースに、カスタマイズや必要な機能の追加を実施したもの。地域(自治体や町内会など)の防災担当者に向け、地域が抱える課題について、その解決の手法や実践の事例をさまざまな研究データベースから検索することができる。さらにユーザーが自分の属性(町内会、自主防災会など)や地域の社会的特性を登録することで、「おすすめ実践事例」として類似の推奨課題とそれに適した実践事例を各種データベースから自動推奨するという。研究者に問い合わせするなどコミュニケーション機能も付加したほか、ユーザーは所属する団体やコミュニティの役割に対して付与されるため、後任への引継ぎも可能だ。
同研究所主幹研究員の三浦伸也氏は、「自然災害に直面する地域のリスク対応力、防災力を向上させるための研究はこれまで数多く行われてきた。しかし地域で実際に防災に当たる担当者は学会発表や論文に触れる機会が少なく、アクセスする方法も確立されていない。研究と実践の橋渡しを担うサービスが必要と考えた」としている。
■関連リンク
地域防災の実践の場に研究開発結果を届ける仕組みづくり
~統合化地域防災実践支援Webサービスの構築~(当日の発表スライド)
http://risk.ecom-plat.jp/fbox.php?eid=19154&s=o
地域情報活用基盤「eコミュニティ・プラットホーム」
http://ecom-plat.jp/
防災科研「地域防災対策支援研究プロジェクト」
http://all-bosai.jp/chiiki_pj/
- keyword
- ITセキュリティ
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月23日配信アーカイブ】
【4月23日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:南海トラフ地震臨時情報を想定した訓練手法
2024/04/23
-
-
-
2023年防災・BCP・リスクマネジメント事例集【永久保存版】
リスク対策.comは、PDF媒体「月刊BCPリーダーズ」2023年1月号~12月号に掲載した企業事例記事を抜粋し、テーマ別にまとめました。合計16社の取り組みを読むことができます。さまざまな業種・規模の企業事例は、防災・BCP、リスクマネジメントの実践イメージをつかむうえで有効。自社の学びや振り返り、改善にお役立てください。
2024/04/22
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方