アーキビジョン21が提案する移動式ハウス「スマートモデューロ」。標準サイズは海洋コンテナ1台分で、複数台の連結も可能。農家など自営業で自宅を離れられず、仮設住宅で暮らせない被災世帯でも、自宅敷地で仮住まいができる(画像提供:アーキビジョン21)

北海道千歳市に本社を置く住宅会社・アーキビジョン21は、9月6日に起きた北海道胆振東部地震で自宅建物が被災した世帯を対象に、同社の移動式木造住宅「スマートモデューロ」100台を有償で貸し出すサービスを1日から始めた。地元に多い農家や酪農家など被災で自宅に住めない世帯にも、自宅敷地内に仮住まいを提供できる。貸出期間は最長2年。家賃は月7万〜11.1万円。
 
「緊急住宅レスキュープロジェクト」と題した今回の取り組み。北海道胆振東部地震で被災しながら、応急仮設住宅等の入居対象とならなかった被災世帯を救済することを目的に、地元住宅会社のアーキビジョン21が企画した。今回の北海道胆振東部地震でり災証明書の発行を受けた世帯を応募条件としている。

建物は、モバイルハウスと呼ばれる形態。建物は海洋コンテナと同サイズで、コンテナ輸送用トラックで移動する。設置場所で電気・ガス・上下水道を接続すれば、一般住宅として居住できる。平成30年7月豪雨でも、岡山県倉敷市に国の要請による応急仮設住宅として40台が供給された実績がある。

土地の広さや居住人数に合わせて28.8m2〜62m2まで4タイプから選べる。貸出費は月額7万~11.1万円を基本。そのほか仮基礎工事に約200万円、運搬・設置・撤去に約100万円の諸費用がかかる。一般住宅同様、給排水・ガス・電気は自己負担。

建物賃料・工事費を合わせると月費用は札幌市内の同サイズの一般賃貸物件の相場より3倍近い。だが地元北海道では農家や酪農家など自営業を持っていたり、子供の転校させたくないなど、どうしても自宅から離れられない事情を持つ被災世帯は多い。同社では「自宅から離れられないために、車上生活をされている方や、倒壊の危険を感じながら寝泊まりされている方にぜひ活用してもらいたい」としている。

納期は最短で1週間、最長で1カ月。詳しくは同社(電話:0123-28-8811)まで。

写真を拡大 「スマートモデューロ」Aタイプ。外寸で間口2.4m×奥行12m。図面例では2台分を並列し、屋外デッキを設置する(図面提供:アーキビジョン21)

(了)

リスク対策.com:峰田 慎二