日本サプライマネジメント協会が年次大会を開催

写真を拡大日本サプライマネジメント協会年次大会の様子

サプライマネジメントに関する研 究活動などを展開する特定非営利 活動法人日本サプライメントマネジメント協会 TM と CAPS 日本研究会は9月 15 日、第 14 回 ISM/ CAPS 日本・サプライマネジメント大会を都内で開催した。

サプライチェーンのグローバル化 が加速し、国境を越えた相互依存が高まる中、 組織には、 より一層グロー バルな人材が求められている。大会では「How to nurture the Global Supply Management( グローバル社会で発展する鍵は人材育成への 投資である) 」と題し、会員らが日本企業のグローバル調達人材の育成 の検証と提言を報告した。

冒頭で、特定非営利活動法人日本サプライメントマネジメント協会 TM の上原修理事長は、国際的に見 た日本のグローバル人材の現状と課題について発 表。 上原 氏 はスイスの IMD(国際経営開発研究所) が 世界 59 カ国を対象にした国際競争 力の調査で、日本は「経営層の国際経験」 「企業ニーズに合致した語学力」といった項目で 50 位台に低迷し、他の先進諸国と比較して大きく 遅れをとっていることを指摘。

「調達部門の担当者として海外で仕事をすると、政治リスク、為替変動、海賊、品質リスクなど、様々なリスクに直面する。市場のグローバル化に伴うリスクを乗り越えるためには、 外国語習得と海外経験の豊富なグローバル・ビジネスの経験が必須」とし、日本企業のグローバル人材育 成が急務であることを強調した。

研究発表で は、CAPS 研 究 会 の メンバーが、主に日本企業における 購買部門の人材教育の状況について 報告した。電機、化学、輸送用機械など、サプライチェーンと密接に関 わる大手製造業9社の購買担当者を 対象にした調査では、購買環境の変化として、円高による価格競争力の 低下や海外調達によるコストダウン の必須に加え、海外拠点の購買額の増大や購買人材の多国籍化が進んでいるとした。

この環境の変化に伴う購買人材の育成上の課題として①コスト管理能力と言語習得、②購買スキル・知識 の明確化、③購買機能の現地化と権限の委譲を挙げた。①と②の具体的な対策としては、人事部門の教育体 制に購買部門が積極的に関わること で、購買戦略に基づいた購買部門の 教育体制を築くこと、③の対策としては、日本 人駐在員を現地マネージャーとして育成し海外調達拠点における現地スタッフの育成の強化をすることを提案した。

このほか、特別講演として台湾サプライマネジメント協会名誉理事長の Shu-Shin Steve Lai 氏が、 台湾企業のグローバル調達人材育成について語った。