ダウンを暖かくできる、身近な「アレ」とは?

さて、実はここまでは過去の記事でも紹介していますが、今回は冒頭でお伝えした「アレ」について知っていただきたいと思います♪

災害対策として、カイロを持っている人は多いですね。受験生も必須かもしれません。手軽に温かくできるので冬のお役立ちグッズです。そして、できるだけ暖をとりたいから、カイロをインナーの上に貼る方も多いことでしょう。でも、これは、気をつけてくださいね。

カイロが温かすぎて、汗をかいてしまうと、体は気化熱で体温を下げようとしてしまいます。温かくなりたいのに、体は冷やそうとしてしまっては、エネルギーの無駄使いになります。カイロを使った場合、汗をかいてしまうと、効率が悪いことをまずご理解ください。

そしてダウンなのですが、水分があると羽根をしぼめてしまいますから、カイロをつかって汗をかくということはダウンの性能まで下げてしまうことになるのです。だから、他の服を着ているより汗冷えが起こりやすくなってしまいます。ダウンの服でカイロを使うときは、特に汗をかかないように工夫することが必要です。

でも、このカイロ、ダウンにとって、非常にありがたい存在でもあるのです。災害時や野外など熱源は自分の体温のみと書きましたが、カイロはその他の熱源になるので、羽根をふくらませる材料として役立つのです。ですから、ダウンジャケットを着るときには、カイロをインナーのすぐ上に貼って汗をかいてしまうよりも、ダウンジャケットの服のポケットの中に入れてみてください。そうすると、熱源を得たダウンがぽかぽかあたたかい空気を蓄えてくれます。

これは、快適だというだけでなく、体温が元から低い人にも有効です。体温が低めの人は、ダウンを膨らませることができないので、着ても暖かい服にならないのです。でも、カイロをポケットにいれることによりダウンを膨らませることができれば、ダウンはちゃんと暖かい服になります。インナーにカイロを貼ってしまうと汗をかくだけでなく、例えば受験会場で暑く感じた時に、カイロ付きのインナーでは脱ぎ着しにくくなってしまいます。でも、ダウンのポケットにカイロだと、会場外に出た際に暖かい服となるので、調整しやすくなります。

このダウンを温めるためにカイロを使うテクは、テント泊の際、ダウンの寝袋を膨らませるのにも使ったりします。寝袋の場合、例えば体は暖かいけど、足先が冷えている人は、足元のダウンがふくらんでくれないので、足元は寒いままなのです。汗をかかない程度に、ダウンの寝袋自体にカイロを貼っておいて、ダウンを膨らませるテクを使えばとても暖かいのです。

そんな訳で、温かくなるコツとして、どんな製品を着るかということより、どうやって空気をためるのか、傘もささずダウンを濡らした状態ではダメ、ということを知っていると、応用の幅がでてきますよね!ダウンを着ている人は、空気をためることと、水にも気をつけてくださいね。そして、ぽかぽかになるポケットにカイロ技で冬を乗り切ってくださいませ♪

発熱するカイロを身体ではなく、ダウンジャケットのポケットに入れることで快適性が高まる(出典:写真AC)

(了)