トーマツの松岡秀貢マネジャー(左)は商圏のデータを活用した企業の拠点戦略を説明した。右は桑原氏

トーマツは18日、人口や世帯所得など地域のデータ分析を企業の不動産戦略に生かす「アナリティクスによる拠点不動産戦略アドバイザリー」と題したサービスの提供を発表した。不動産の専門家の知見も加味し、不要な拠点所有や老朽化といった不動産に関するリスク回避を訴求する。

全国的に人口減が進むほか、インターネットの発達などで産業構造が変わり、金融機関など拠点の再編を迫られている業種・企業が増加傾向にある。トーマツでは国立社会保障・人口問題研究所などの地域の人口や世帯所得といったデータ分析から、自社の商圏の重複や域内人口のカバー率を確認。競合他社の商圏も分析し、自社同士の顧客の食い合いを避けるための撤退や攻勢をかけるための進出といった拠点再編などに生かす。人口や地域内の経済状況などのデータを基に店舗の売上予測の推計も行う。

また拠点再編の戦略策定にあたり、所有不動産の将来の老朽化コストも分析。将来の建て替え計画などに生かせるようにする。デロイト トーマツ グループでは一級建築士や不動産鑑定士などを擁するデロイト トーマツ ファイナンシャルアドバイザリー合同会社やデロイト トーマツ PRSもあり、連携しデータ分析以外に専門家の知見も加えたサービスを受けることも可能。デロイト トーマツ グループを挙げた拠点の収支シミュレーションや所有不動産の有効活用といったCRE(企業不動産)戦略サポートを行う。

18日に東京都千代田区のトーマツ丸の内オフィスで行われた記者発表会で同社パートナーの桑原大祐氏は「不動産業界は経験と勘で動いてきたところが大きいが、科学的アプローチを行う」と説明。将来はAI(人工知能)の活用も検討しているという。価格はサービス内容によって異なる。多くの不動産を所有し、拠点再編を進めている金融機関などをターゲットとする。

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(了)

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