東日本大震災におけるBCP検証の手法

■立体的フレーム で分析を

東日本大震災の発生から半年以上が過ぎた。すで に、サイバーテロやタイの洪水など、新たな災害が 次々と世間を騒がしている。企業の BCP 担当者か らは、「国や自治体が被害想定を見直すから、それ を待たなければいけない」という声も聞くが、その公表を待ったところで大きな方向性が変わるわけで はない。それよりも、半年前から現在に至るまでに 起こった出来事を振り返り、課題があればその根本 原因を追求し対策を検討すること、いわゆる「検証」を行うことが大切だ。  

さて、企業は BCP について何を見直すべきだろう か。各社がおかれた事業環境や対策の進捗状況など によって様々な事項があるだろう。そこで、今回の 震災が企業の危機管理や BCP の考え方にどのような 影響を与えたのか、3つのポイントを挙げてみた。  

1点目は、これまで確率論では検討の対象外とし てきた領域のリスクについても考慮が必要になった ということ。マグニチュード 9.0 の地震や原子力発 電所の炉心溶融事故については、確率的には起こら ないと考えられてきたが、実際には起きた。これま での前提条件を見直さなくてはいけない。  

2点目は、津波災害と原子力災害といった、これ までに焦点を当ててこなかった新たな被害様相への 対処の必要性に気付かされたということ。特に沿岸 部においては、津波の危険性と人命最優先の原則を 再認識する必要がある。また、原子力災害は専門性 が必要で対処が難しい問題ではあるが、何らかの対 応は検討していく必要があるだろう。

3点目は、単一かつ局所的な災害だけを考えるの ではなく、より広域的な災害や複合的な災害につい ても考える必要があるということだ。広域災害や複 合災害は、絶対的なリソースの不足、エネルギーイ ンフラや国内外サプライチェーンへの影響などをも たらす。このような災害に対しては、企業各社が単 独で取り組むのは技術面やリソース面からも困難だろう。業界内の連携や地域の連携など、広い連携の しくみが必要になってくる。

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