熊本地震での対応を語る小山社長

1月24日・東京都中小企業振興公社フォーラムより

2016年の熊本地震では、震度7の地震が2回ありました。50人の命を奪い、前震と本震の2回の揺れで建物はかなり壊れました。震度5以上の揺れは20回以上、車中泊も含めて20万人以上の方が避難しました。

弊社は年間売上が50億円位の中小企業です。社員は130人位。建築実績は5500軒と、130人の会社にしては多めですが、この5500軒のお客様が被災したときに何が起きるかというと、一斉に弊社に電話がかかります。弊社のお客様だけで合計3800件の電話が来たわけです。対応する社員も被災者です。社員の7割程が避難所または車中泊の状態になりました。

九州は台風が来ますので、普段から台風という自然災害に対する備えはありましたが、地震は突然来ます。私は震災30分後ぐらいに本社に戻り、状況確認や部門長への権限委譲等を行い、「応急復旧工事に関しては全部無償でいい」と、結果的に半年間、無償工事を行いました。また、台風災害の時に使用する被害受付表を使いました。台風災害時の経験が今回も生かされることになったのです。

震災直後の動きでは、東日本大震災や阪神・淡路大震災の被災経験を持つ県外の工務店社長に電話をかけ、これから何が起きるかをヒアリングしました。その通りになりました。私たちにはマニュアルがありませんでしたが、経験者へのヒアリングが初動の5日間に大きく影響しました。