きっかけは東日本大震災

ところが、この「広域災害救急医療情報システム(EMIS )」では、分娩可能かどうか、小児の集中治療室(PICU)の空き状況など、小児周産期医療に特化した情報を集めることは、できないのです。2011年の東日本大震災では、人命救助にとって大切な時期に、メールや電話での多くの情報が交錯して、支援活動に混乱をきたしたり、被災地への物資搬送に重複が起こっていました。そのため、EMISとは別に、Web上に日本産科婦人科学会大規模災害対策システムを構築することになったのです。

平成29年(2017年)3月31日 厚生労働省医政局地域医療計画課長通知ではこのように書かれています。

疾病・事業及び在宅医療に係る医療体制について
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10800000-Iseikyoku/0000159904.pdf
(7) 災害時小児周産期リエゾン
東日本大震災後の研究や検討で、被災地や周辺地域における情報伝達網の遮断や、 小児・周産期医療に精通した災害医療従事者の不足等を原因として、現状の災害医療体制では小児・周産期医療に関して準備不足であることが指摘された。
また、小児・周産期医療については平時から独自のネットワークが形成されていることが多く、災害時にも既存のネットワークを活用する必要性が指摘された。そのため、災害医療コーディネーターのサポートとして、小児・周産期医療に特化した調整役である「災害時小児周産期リエゾン」を養成することとした。

災害時小児周産期リエゾンは、このようにして誕生しました。
具体的な任務は以下をご覧ください。

情報収集として、搬送ニーズがあればDMATにつなぎ、行政の担当者や学会や支援団体につなぎます。次の任務も注目です。

アレルギー食の手配状況を把握し、周知をはかる。

これ、今まで場当たり的に対応されることもあったのですが、心配されていた部分です。災害時小児周産期リエゾンの方が調整に入ることでだいぶ変わりそうです。

その他、保健活動には、「こどもの遊び場を提供」とあります。大人とは違う、こどもの心のケアも重視されています。

先ほどは大阪北部地震での活躍スライドでしたが、こちらは、西日本豪雨の際の対応です。

避難所での虐待事例にも対応されていますし、情報が届きにくくなってしまう在宅医療児の安否確認など、専門家ならではの細やかな支援をされています。