BCP発動企業では機能したとの意見が約6割寄せられた(写真は北海道胆振東部地震による土砂崩れの被害を受けた厚真町の建物)

NTTデータ経営研究所は8日、第5回「東日本大震災発生後の企業の事業継続に係る意識調査」の結果を発表した。小規模な企業ほどBCP(事業継続計画)の策定率が低いほか、BCPの発動は2018年の西日本豪雨(平成30年7月豪雨)で約2割、北海道胆振東部地震で3割しか発動していないものの、約6割は想定通り機能したと回答した。有効回答者数は1019人。

BCPの策定状況は「策定済み」43.5%、「策定中」21.4%。5000人以上の大企業ではそれぞれ70.0%、17.9%だが、99人以下では27.4%、16.8%にとどまる。「策定予定」も含めた821人に、想定しているリスクを聞いたところ、「地震(主として直下型地震)」74.3%、南海トラフ地震など「地震(東海・東南海・南海連動地震等の超広域地震)」が62.6%、「地震以外の自然災害(風水害等)」54.0%だった。火災、停電、システムダウンによる自社設備の停止はいずれも約4割が想定していると回答した。

BCPを「策定済み」「策定中」「策定予定」と回答し、西日本豪雨で被害の大きかった地域に拠点がある企業で実際にBCPを発動したのは21.7%、北海道胆振東部地震では28.5%にとどまっている。一方で発動した企業にBCPが想定通りに機能したか質問したところ、西日本豪雨では55.4%、北海道胆振東部地震では60.9%が「BCPは期待通り機能しており、特段問題無かった」と回答。2011年の東日本大震災では34.2%にとどまっており、いずれもその約1.7倍となった。

「BCPは概ね機能したが、問題となる部分があった」は西日本豪雨で41.9%、北海道胆振東部地震は37.7%。想定通り機能しなかった内容で多かったのは西日本豪雨では「災害・事故等発生時の体制設置」33.3%、「社員の安否確認方法」24.2%、北海道胆振東部地震では「対策本部立上げ判断基準の設定」「社員の安否確認方法」「優先して復旧すべき業務・事業の設定」がいずれも29.6%だった。

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リスク対策.com:斯波 祐介