蓄光フィルムの展開例(上)とサンプル(下)
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凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区)は、電源が不要で夜間に光る防災・減災用蓄光フィルムを開発した。避難誘導サインや防災グッズの包装材などの用途を想定し、6月中旬よりサンプル出荷を開始する。

太陽光や屋内光などの光エネルギーを蓄えることで、約12時間の自己発光が可能な蓄光フィルム。同社独自のコーティング技術により、基材となる耐候性フィルムに高輝度な蓄光顔料を積層し、従来の屋外向け蓄光フィルムと比較して約2倍の発光時間を実現した。またロール原反での提供が可能なため、加工適性が高いことはもちろん、災害対策の備蓄など幅広い用途での活用できる。

災害などの非常時では、さまざまな社会インフラが寸断されることにより、被災後の避難・救助活動や復旧・復興活動に影響が出るなどの問題が起こっている。特に、夜間に被災し電力供給が断たれることを想定した避難誘導の安全性確保対策が求められていた。

同社は今後、サンプル提供により実証評価を行うとともに、用途開発を進めていく。まずは自治体向けに拡販し、2020年に約20億円の売上を目指す。

■ 製品の仕様
・製品寸法: 最大200㎜幅、厚さ約800μmのロール形状(※仕様により変動)
・構成部材: PET樹脂、アクリル樹脂、フッ素樹脂ほか(※仕様により変動)
・残光性能: キセノンランプ400μw/c㎡で60分照射時、12時間後に3mcd/㎡
・発光色: 青色
・耐水性能: 水中に500時間放置後も発光
・耐候性能: メタルハライドランプによる超促進試験7年相当で変化なし

(了)