熊本地震の対応において、課題が生じたことや苦労した点を自由記述してもらったところ、長引く余震で復旧作業が難航したことや、安否確認システムが何度も作動して安否把握に時間がかかったこと、取引先の被災状況の確認に時間がかかったこと、支援要員を送る・受け入れるにあたり宿泊地や交通手段の確保に苦労したことなど、多くの回答を得た。

【事業継続体制】

営業店(熊本)が被災し、数日間店舗を閉鎖。主要業務は停滞しなかったが、熊本地方におけるお客様へのタイムリ-なサ-ビスが低下。
夜間の震災発生時の対策本部の立ち上げ、夜間の本部へのメンバー招集に課題。
従業員の被災により、要員の確保が困難。応援者の受け入れ体制(宿、交通機関等)にも課題。
被害が大きかった子会社で対応を始めたため対策本部の機能に支障が生じた。
災害対策本部の設置基準の明確化に課題。
初動対応と復旧への対応の切り分けが難しい。
余震が長期間続く中で、施設の復旧作業の前提となる安全をいかに確保するか。何を持って安全確保の判断をするかが難しい。
余震が多く安全を確保できないため倉庫内の物品を出せない状態が続いた。
余震が続いており代替サービス拠点の設置ができなかった。
中継基地(物流拠点で業務委託先)のリスク評価、連携の手順化が及んでなかった。
製品出荷に遅れが出たが、メーカー任せで会社としての対策が何もなかった。
事業所が被災した場合の対応方法が明確になっていなかったことが顕在化した。
BCP対応案件なのか通常対応の範囲内なのかの判断が難しかった。
継続すべき事業の分析( BIA)に課題があった。
被災地の交通規制で渋滞が発生し復旧作業の妨げになった。
代替拠点の確保に課題があった。
実効性を伴ったBCPへの見直しが必要。
代替拠点が被災し、賃貸オフィスも供給不足。
本社機能を移行後の本社側の管理体制が未検討。
BCPの必要性は理解しているが、要員・時間的に厳しい。
短期間に何度も強震が発生した場合の対応が未検討だった。
初動を中心に考えていたため、復旧フェーズについて準備が不足していた。
現地支援体制が整っても、熊本に行く交通手段が全く無かった。
物流が遅延した際の製品の出荷方法の確保に課題。
BCP発動の判断基準を、サプライチェーンの被災も含め見直すべき。