2016/05/30
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』
「避難所で、わが子がノロに・・・その時どうする?」
ということで、「避難所で、わが子がノロに・・・その時どうする?」
アルコールを毎日持ち歩いていたら、こどもをアルコールで拭く事ができる。何度もあきらめずに拭く。その際、感染防止に手袋があったほうがいいでしょう。
ビニール類は自然界で代用できるものがないので、毎日持ち歩くことをおすすめしています(これはまた別の記事で)。吐瀉物についても、次亜塩酸系漂白剤がなければ、アルコールで何度も拭くのです。
ここで1つ注意です。次亜塩酸系漂白剤がある場合は、アルコールと同時使用は禁忌です。酸性洗剤と混ぜると塩素ガスも発生します。
次亜塩酸系漂白剤は 「混ぜるな危険」の表示があります。しかし、字を習い始めた小学生の指導なしでの利用は危険なので、避難所となる小学校には置いていない可能性もあります。掃除道具としてはもちろん、調理室にもない場合があります。一方で、子どもの手に届くところはありませんが、職員室や保健室ならあるかもしれません。学校の備品をあらかじめ地域で確認できると心強いですね!
最後に改めて、ご意見くださった方に感謝いたします。これからもご質問、ご意見よろしくお願いいたします。双方向で、作っていけるのがWEB誌面のよいところですね。
災害時は、想定外や分からないこと。初めて対処する問題がたくさんでてきます。普段からいろいろな方の知恵を共有できる事が災害時の想定外を少なくできると思っております。今後もよろしくお願いいたします!
「ノロウイルスに係るエタノール使用ガイドライン」(一般社団法人アルコール協会)
から抜粋「有識者からのコメント」
ノロウイルス食中毒の多くは、手指の洗浄・消毒が不十分なために発生しています。しかし、食品取り扱い者の間ではアルコールはノロウイルスを不活化出来ないと考え、使用されていないのが現実です。本ガイドラインは使い方によっては消毒効果が期待できることを科学的根拠を基に示していますから、ガイドラインの普及・啓発によってノロウイルス対策が進むことが望まれます。
今冬はノロウイルスが従来のGⅡ4からGⅡ17の新型に変わり、流行の拡大が懸念されていますから、予防対策としての消毒の徹底がとくに大切です。
東京医科大学 兼任教授 中村 明子
2. ノロウイルスに対するエタノールの適切な使用方法
(1) 消毒対象物に応じてエタノールの積極的な使用が望まれる場合
ノロウイルス感染者の吐物、糞便等には大量のウイルスが含まれているため、これらを処理する場合には、吐物等をペーパータオル等で除去した後、汚染場所に次亜塩素酸ナトリウムを使用することが有効です。
但し、ノロウイルスを完全に不活性化させるとされている次亜塩素酸ナトリウム は、金属に対する腐食作用、皮膚に対する刺激・損傷作用、衣類等に対する漂白(脱色)作用があるため、金属器具、生体、繊維製品の消毒に使用すると問題を生ずることがあります。特に、次亜塩素酸系消毒薬を使って手指等の生体の消毒を行うことは できません。
このため、吐物等のように大量のウイルスを含む場合でなければ、ノロウイルスの消毒に関しては、消毒対象物に応じて適切な消毒薬を使用することが重要であり、以下のようにエタノールを活用することを推奨します。
1、金属製品や脱色が問題となる繊維製品等の消毒には、熱湯(80°C10 分間以上 の)やエタノールの使用が適切です。また、トイレ(洋式トイレの便座、ド アノブ、フラッシュバルブ等)の拭き取りによる消毒では、エタノールは次亜塩素酸ナトリウムに比べてプラスチック(便座)や金属(ドアノブ等)に 対する劣化作用が小さいことから、エタノールの使用が望まれます。
2、塗装されていない木質箇所(家具、手すり、椅子、ベンチ等)の消毒には、次亜 塩素酸ナトリウムは木材(パルプ)と接触すると効力が減弱することから、 エタノールの使用が適切です。
3、エタノールを使用する場合は、その効果を高めるため、消毒対象物に対して 十分な量のエタノールを用いる二度拭き(一度清拭して 15 秒程度経過後に二 度目の清拭を行う。)をお勧めします。
(了)
アウトドア防災ガイド あんどうりすの『防災・減災りす便り』の他の記事
おすすめ記事
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年3月19日配信アーカイブ】
【3月19日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:副業・兼業のリスク
2024/03/19
-
リスク担当者も押さえておきたいサイバーセキュリティ対策の最新動向
本勉強会では、クラウド対応のサイバーセキュリティ対策の動向を、簡単にわかりやすく具体的なソリューションの内容を交えながら解説します。2024年3月8日開催。
2024/03/18
-
発災20分で対策本部をスタートする初動体制
総合スーパーやショッピングモールなど全国各地のイオン系列の施設を中心に設備管理、警備、清掃をはじめとしたファシリティマネジメント事業を展開するイオンディライト(東京都千代田区、濵田和成社長)。元日に発生した能登半島地震では、発災から20分後にオンラインの本社災害対策本部を立ち上げ、翌2日は現地に応援部隊を派遣し、被害状況の把握と復旧活動の支援を開始しました。
2024/03/18
-
-
能登半島地震における企業の対応レジリエンスの実現に向けて
能登半島地震で企業の防災・BCPの何が機能し、何が機能しなかったのか。突きつけられた課題は何か。復興に向けどのような視点が求められるのか。能登で起きたことを検証し、教訓を今後のレジリエンスに生かすため、リスク対策.comがこの2カ月の取材から企業の対応を整理しました。2024年3月11日開催。
2024/03/12
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年3月12日配信アーカイブ】
【3月12日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:東日本大震災 企業のハンズオン支援
2024/03/12
-
-
-
能登の復興は日本のこれからを問いかける
半島奥地、地すべり地、過疎高齢化などの条件が、能登半島地震の被害を拡大したとされています。しかし、そもそも日本の生活基盤は地域の地形と風土の上に築かれ、その基盤が過疎高齢化で揺らいでいるのは全国共通。金沢大学准教授で石川県防災会議震災対策部会委員を務める青木賢人氏に、被害に影響を与えた能登の特性と今後の復興について聞きました。
2024/03/10
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方