出典:Minneapolis Fire Department : FD-CPR Instructor Class

こんにちは。サニーカミヤです。このコラムでは、これから日本の消防関係の皆さんに海外の最新の消防事情をお伝えしたいと思います。

さて、アメリカ国内では残念なことに2014年度中91名の消防士が消防活動中に殉職されました

その原因は現場特性によって、また、常備、非常備消防士、民間消防によって違いますが、一般的な殉職事故内容は、「火災現場での建物倒壊事故による消防士の閉じ込め事故」、「活動時間と退出時間による残圧の計算ミス」、「必要以上の筋肉増強や肥満」、「空気呼吸器のメンテナンス不足」、「現場経験不足」、「訓練不足」などとされています。

■アメリカ国内の消防殉職者数
https://www.usfa.fema.gov/downloads/pdf/publications/ff_fat14.pdf

殉職に至らなくても、活動時間と退出時間を見極めきれず、空気呼吸器の残圧を消費したために黒煙の中で窒息してしまい、仲間から運び出されてCPR(心肺蘇生)を受けて蘇生したり、蘇生しても、業務に復帰できない状態になったりした消防士もいます。

そのような反省を受けて、大切な仲間をお互いに守るために、ノースカロライナ州のレランド ボランティア消防局では、2014年に「FD-CPR」(FD=「Firefighter Down」=倒れた消防士のこと)という10段階のステップを作りました。その内容を動画公開したところ大変話題となり、現在では全米の消防局の訓練に取り入れられています。

こちらがその動画です。

いかがでしたか?これからステップごとに解説していきます。

FD-CPRの目的は、消防士が消火活動中、フル装備(空気呼吸器着装状態)で心肺停止状態になった際(要救助隊員)、仲間同士でどうやって要救助隊員のフル装備を解き、CPRできる体制にして、有効な救急処置を行うか?を具体的にしたものです。

■↓FD-CPRマニュアル:ステップ毎の動画マニュアル
http://fd-cpr.com/steps.html