よくあるペットの熱中症事例:

・冷房までいらないと思ってペットを閉め切った室内に留守番させて会社に行ったところ、予想以上に日中の気温が急激に上がり、帰宅したら、数カ所に置いてある飲み水の容器がすべて空になっており、ペットがグッタリしていた。

・カーテンをせず直射日光が室内に入り込む状態で、ケージの中などに入れ、犬が自分で涼しい場所に移動できない状態で留守番させてしまいペットが熱中症になっていた。

・ペットを車に乗せて買い物に行き、曇っていたので雨が降るかもと思い、窓も開けず、エアコンも付けずに駐車し、ペットを待たせたところ、買い物をしている間に日差しが強くなり、車内の温度が急上昇し、たった15分程度で熱中症のような症状になってしまった。

・スーパーマーケットの駐車場で、日陰だったのでエアコンの代わりに窓を少し開けた状態でペットを留守番させたところ、戻ってきたら直射日光が当たっているうえ、風通しが十分でなかったのと、不慣れな車内での留守番に人が通るたびに犬が興奮したため、体温が急上昇してしまった。

などなど、何も知らずに閉じ込められたペットは可哀想ですよね。。

もちろん、ペットの車内閉じ込め救出事案は、日本ばかりではなく、アメリカでも毎年、かなりの件数が発生しています。


ボストン市消防局のペット救出現場映像


消防士が車のドアを開けるために使っている道具のビデオ

みなさんの消防署では、どのように暑くなった車内からペットを救出しますか?アメリカでは下記のようにペットを救出しています。

車のオーナーが現場にいる場合:

・オーナーが鍵をなくしてしまい、車内のペット救出要請をした場合は、車のドアを開けるための同意書にサインをもらい、上記のビデオにあるようなツールで30秒ほどでドアを開けるか、ツールが無い場合は車の窓を割って救出する。

車のオーナーが現場にいない場合:

・消防士、警察官など2人以上が緊急避難により早急に救出する必要があると認めた場合は、レスキューツールで車の窓ガラスを割って救出する。

なお、救出後は、少しずつ水などを与えて落ち着かせ、リードをつないで、車道に出ないように監視すること。また、警察に車のライセンスプレートから飼い主を探してもらうこと。

ここで状況シミュレーション訓練です。

下記のビデオを参考に車の窓を割って車内のペットを救出する場合に気をつけなければならないことを3つ以上、挙げてください。正解は最後のページにあります。※すぐに解答を見ないように!(笑)

なお、どのような理由でも、動物を長い間、暑い車内に閉じ込めた状態にした場合、日本円にして約12万円〜52万円の罰金、または、6ヶ月から10年の禁固刑に処せられます。

また、場合によっては飼い主は当該動物の所有権を失い、2度と動物を里親施設などから譲り受けできなくなります。

■↓州によって、動物虐待に対する罰金の額や拘留期間が違う。
http://www.straypetadvocacy.org/PDF/AnimalCrueltyLaws.pdf

日本も同じように動物虐待は懲役や罰金に処せられます。

■↓動物愛護管理法
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/aigo.html

熱中症の見分け方:

・よだれを垂らして横たわっている。
・あえぐような呼吸をしている。
・耳を触ると、いつもより熱い。
・声をかけても、横になったままで苦しそう。
・意識がないか、あっても目しか動かさない。