内閣府はこのほど、昨年4月より施行されている地区防災計画制度の普及にあたり、新たなモデル地区を選定した。阪神・淡路大震災での被災を教訓に、学校や周辺住民、企業などさまざまな主体が連携して防災活動に取り組む神戸市の真陽地区や、事業者が主体となって周辺の自主防災会との連携を試みる「大塚製薬工場と周辺自主防災会(徳島県鳴門市)」など22 地区。内閣府では、これらの地区に4回程度アドバイザーを派遣し必要に応じて地区防災計画の作成や防災訓練を支援するとともに、モデル地区の発表会なども予定。今後、優良事例として広くPRしていきたい考え。

地区防災計画制度は、地域に住んでいる住民や、事業を営む事業者が、主体的に自分たちの住んでいる「まち」の防災に関する計画を策定するというもの。従来の市町村が定める地域防災計画とは違い、行政区を単位とする必要はなく、集落、商店街、自治会、工業団地、マンションなど、自由な対象範囲で防災計画を策定することができる。策定した地区防災計画は、市町村の防災会議に提案し、了承が得られれば、地域防災計画の中に取り入れてもらうことができる。

東日本大震災では、地域住民や事業者(地区居住者等)による自助・共助の精神に基づく自発的な防災活動の重要性が改めて認識され、平成25年の災害対策基本法の改正で、同制度が初めて規定された。選定地区は以下の通り。

地区防災計画2 2 モデル地区

   上釜地区(かみかま) 宮城県石巻市
   筑波山麓地区(つくばさんろく) 茨城県つくば市
   六美地区(むつみ) 栃木県壬生町
   トキアス管理組合 東京都荒川区
   SYM三町会災害連合会 東京都文京区
   高木町自治会(たかぎちょう) 東京都国分寺市
   本多連合町会(ほんだ) 東京都国分寺市
   神田3丁目地区(ひがしかんだ) 新潟県長岡市
   吉崎地区(よしざき) 福井県あわら市
   修善寺ニュータウン(しゅぜんじ) 静岡県伊豆市
   神山連区(かみやま) 愛知県一宮市
   矢作北学区(やはぎきた) 愛知県岡崎市
   星崎学区(ほしざき) 愛知県名古屋市
   美杉町丹生俣地区(みすぎちょうにゅうのまた) 三重県津市
   真陽小学校区(しんよう) 兵庫県神戸市
   中山五月台中学校区(なかやまさつきだい) 兵庫県宝塚市
   大塚製薬工場と周辺自主防災会 徳島県鳴門市
   金栄校区(きんえい) 愛媛県新居浜市
   五明地区(ごみょう) 愛媛県松山市
   高浜地区(たかはま) 愛媛県松山市
   下知地区(しもじ) 高知県高知市
   長江区(ちょうこう) 宮崎県日向市