「検討段階では掲示版形式で情報を時系列に並べ、カテゴリ別のスレッドで情報を把握しようと考えていましたが、被害状況一覧表で情報を整理すると非常に見やすかった」

 

Bousaizの機能のひとつに、各拠点の被害レベルを赤・黄、緑で色分け表示できる「被害状況一覧表」がある。「検討段階では掲示版形式で情報を時系列に並べ、カテゴリ別のスレッドで情報を把握しようと考えていましたが、被害状況一覧表で情報を整理すると非常に見やすかった。ですから、こちらも使うべきだと判断しました」と八木橋氏は語る。業務を継続するうえで重要な拠点にいる要員の安否や施設、通信などのインフラの状況などが被害レベル別に色わけされて被害状況一覧表に表示される。災害掲示板で個々の詳細な被害を確認する一方で、視覚的に「被害状況一覧表」で被害の全体像を把握するのに役立つ。

写真を拡大 Bousaizで表示される「被害状況一覧表」

信金中金はBCPの発動に基準を設けるノックアウトクライテリア法を採用している。ノックアウトクライテリア法とは特定の基準を設定し、その基準を守れないときに速やかにBCPを発動させる方法だ。発災時のダメージで要員や施設、システムインフラのいずれかが特定の水準に満たないと判明したときにBCPを発動させる。信金中金ではこの水準を下回ったときに被害情報一覧表の中で赤色に表示されるように設定し、速やかにBCPの発動を決定できるようにした。

Bousaizには災害掲示板のほかにも、地図情報との連携などが用意されている。掲示板機能は、平常時に軽度なシステム障害が起きたときの情報共有にも活用できるという。「危機管理で最も重要なことは、初動での迅速かつ正確な情報共有です。ですからマルチデバイス、マルチアクセスで利用できるクラウド型の情報共有ツールの必要性はますます高まるでしょう」と八木橋氏は語る。

訓練の様子

今年2月の日曜日には、緊急対策本部のメンバー約50人が参加してBousaizを使う訓練を実施した。想定はマグニチュード7.3の首都直下地震。ログインからスタートし、緊急対策本部のメンバーがシステムに慣れることが目的だったという。実際に各部門で情報を書き込み、Bousaiz上でバーチャル会議も行った。訓練後に実施したアンケートでは参加者全員が「Bousaizの導入効果がある」と答え、情報共有ツールを初めて利用した参加者も「容易に操作できた」と評価した。また、「緊急対策本部の設置から各部の被害状況の報告、BCP発動の意志決定まで一連の流れを滞りなく実施できた」「参集せずに会議を開催できることに加え、休日や夜間など業務時間外にも対応できるので非常に便利」「携帯などで操作でき、所在場所がばらばらなメンバーどうしの情報共有や意見交換を可能にするツールの有用性は高い」などの感想があがった。

効果は意外なところにも現れた。鈴木氏は「掲示板には、調査するカテゴリーごとに担当部門を明記しているので、掲示板を見るだけで各部が何を調査し報告すべきか認識できる。おかげで緊急対策本部メンバーが自分の役割を深く理解するきっかけにもなりました」と振り返る。

信金中金では今後も年に1回の訓練を実施する予定だ。「緊急対策本部のメンバーも入れ替わるので、常にビギナーがいる状態です。Bousaizを使った訓練を重ねることで、より強固な体制を目指します」と鈴木氏は語った。

 




<信金中央金庫>
信用金庫の出資によって設立された協同組織の金融機関で、全国265の信用金庫を会員とする「信用金庫のセントラルバンク(中央金融機関)」。信用金庫の中央金融機関として、為替・資金の集中決済や各種業務支援など信用金庫のさまざまな業務の業務機能の保管と信用金庫業界のセーフティネットを運営。信用力の維持・向上を図っている。

■本社:東京都中央区八重洲1丁目3番7号
■事業内容:金融業
■従業員数:1,199人(うち常勤役員13人) ※平成28年3月末現在
■事業拠点:国内14店舗、23分室 海外5拠点(海外には信金インターナショナル(株)を含む)
■会員数:265信用金庫

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(了)