3、人工呼吸法(口対鼻)

人工呼吸法は、まず、喉をまっすぐにして気道確保、舌を引き出す、両手でペットの口を閉じる、ペットの鼻から肺の大きさに応じた呼気を1秒掛けて、2回、ゆっくりと吹き込む。換気は十分に行うこと。

※ペット用酸素マスクを使用しての人工呼吸法が効果的。
※ペット用酸素マスクはバグマスク(アンビューバッグ)に取り付け可。
※吹き込みすぎないこと。
※目で胸の挙上を確認すること。
※ペットの口を閉じるときには、ペットの上下の 唇を合わせる感じ。
※短頭犬種は人間の赤ちゃんと同じように喉をまっすぐにしすぎると、逆に気道を狭くしてしまう可能性がある。


 4、状況観察  

①30:2を5回繰り返し、脈と反応をチェック。

②オーナーか、獣医へ連絡が取れ次第、獣医から指示を受け、CPRを継続しながら搬送するか、獣医の到着を待つ。

③もし、ペットの意識が回復した場合、リードに繋いだまま観察する。

④意識が回復すると道路に出たり、行方不明になることもあるため注意。

⑤なお、獣医に引き渡すまでは酸素吸入を続け、観察処置を続けること。

⑥水は気道熱傷を疑い、最低限与える。


 5、その他  

①消防現場でのCPRは野次馬から撮影されることもある。また、活動に支障が無い場所の検討が必要。救急車内は難しいかも。

②アメリカでは、動物愛護団体や保健所が現場から獣医までの搬送を担当してくれるが有料。日本での活動団体を探しておく。

アメリカ、カナダ、ドイツ、イギリスなどのペット先進国では、消防署にペット用酸素マスクが寄付されたり、購入してペットの救急時に活用しています。

日本でも早く、多くのペットが消防士によって助かる日が来るといいですよね。

まずは有志でがんばって、少しずつ、消防士の方々にペットの救急法を普及させ、飼い主と共に救命率を上げたいと思います。

日本の消防士の方で、ペットの救急法を受講されたい方は、ぜひ、ご連絡ください。ペットの検索方法、救出法、搬送法、救急法、観察法等をご指導させていただきます。

それでは、また。


ここにご紹介したコンテンツは、私がインストラクターとして所属している2つの団体、アメリカ最大のペット救急法指導団体であるPetTechのThe PetSaver™ Program、そして、消防士のためのペット救急法指導団体、BART(Basic Animal Rescue Training)ら出典しています。

PetTech
http://www.pettech.net/

BART(Basic Animal Rescue Training)
http://basicanimalrescuetraining.org/
BARTのブログで紹介されました。
http://goo.gl/ZoJoX6

ペットセーバー
http://petsaver.jp

(了)