2016/07/26
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるために
3、人工呼吸法(口対鼻)
人工呼吸法は、まず、喉をまっすぐにして気道確保、舌を引き出す、両手でペットの口を閉じる、ペットの鼻から肺の大きさに応じた呼気を1秒掛けて、2回、ゆっくりと吹き込む。換気は十分に行うこと。
※ペット用酸素マスクを使用しての人工呼吸法が効果的。
※ペット用酸素マスクはバグマスク(アンビューバッグ)に取り付け可。
※吹き込みすぎないこと。
※目で胸の挙上を確認すること。
※ペットの口を閉じるときには、ペットの上下の 唇を合わせる感じ。
※短頭犬種は人間の赤ちゃんと同じように喉をまっすぐにしすぎると、逆に気道を狭くしてしまう可能性がある。
4、状況観察
①30:2を5回繰り返し、脈と反応をチェック。
②オーナーか、獣医へ連絡が取れ次第、獣医から指示を受け、CPRを継続しながら搬送するか、獣医の到着を待つ。
③もし、ペットの意識が回復した場合、リードに繋いだまま観察する。
④意識が回復すると道路に出たり、行方不明になることもあるため注意。
⑤なお、獣医に引き渡すまでは酸素吸入を続け、観察処置を続けること。
⑥水は気道熱傷を疑い、最低限与える。
5、その他
①消防現場でのCPRは野次馬から撮影されることもある。また、活動に支障が無い場所の検討が必要。救急車内は難しいかも。
②アメリカでは、動物愛護団体や保健所が現場から獣医までの搬送を担当してくれるが有料。日本での活動団体を探しておく。
アメリカ、カナダ、ドイツ、イギリスなどのペット先進国では、消防署にペット用酸素マスクが寄付されたり、購入してペットの救急時に活用しています。
日本でも早く、多くのペットが消防士によって助かる日が来るといいですよね。
まずは有志でがんばって、少しずつ、消防士の方々にペットの救急法を普及させ、飼い主と共に救命率を上げたいと思います。
日本の消防士の方で、ペットの救急法を受講されたい方は、ぜひ、ご連絡ください。ペットの検索方法、救出法、搬送法、救急法、観察法等をご指導させていただきます。
それでは、また。
ここにご紹介したコンテンツは、私がインストラクターとして所属している2つの団体、アメリカ最大のペット救急法指導団体であるPetTechのThe PetSaver™ Program、そして、消防士のためのペット救急法指導団体、BART(Basic Animal Rescue Training)ら出典しています。
PetTech
http://www.pettech.net/
BART(Basic Animal Rescue Training)
http://basicanimalrescuetraining.org/
BARTのブログで紹介されました。
http://goo.gl/ZoJoX6
ペットセーバー
http://petsaver.jp
(了)
ペットライフセーバーズ:助かる命を助けるためにの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
-
民間企業の強みを発揮し3日でアプリ開発
1月7日、SAPジャパンに能登半島地震の災害支援の依頼が届いた。石川県庁が避難所の状況を把握するため、最前線で活動していた自衛隊やDMAT(災害派遣医療チーム)の持つ避難所データを統合する依頼だった。状況が切迫するなか、同社は3日でアプリケーションを開発した。
2024/04/11
-
-
組織ごとにバラバラなフォーマットを統一
1月3日、サイボウズの災害支援チームリーダーである柴田哲史氏のもとに、内閣府特命担当の自見英子大臣から連絡が入った。能登半島地震で被害を受けた石川県庁へのIT支援要請だった。同社は自衛隊が集めた孤立集落や避難所の情報を集約・整理し、効率的な物資輸送をサポートするシステムを提供。避難者を支援する介護支援者の管理にも力を貸した。
2024/04/10
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月9日配信アーカイブ】
【4月9日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:安全配慮義務
2024/04/09
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方