世界の消防活動を研究し、国内で役立てる

大切なのは、これらの映像を日本の事情に置き換えて受け入れ、水平思考して、国内で起こるとしたら、こういう状況になる可能性が高いので、自分たちならこうやって救急救助対応するというオリジナルの活動プランを作る必要があることだと思います。

また、世界の消防士達がどのようにして、消防活動を行っているのかを研究し、同じ機材の使い方や隊員の活動フォーメーションなどを自ら学ぶ機会を増やすことも大事だと感じます。


出典:YouTube/Firefighter Rescue Infant from Flames

いかがでしたか?

日本では、約30年前から、救助技術大会や消防団のポンプ操法が災害対応の実践に即している訓練とは思えないという意見もあり、また、もし、この2つがなくなると大変な損益になるという消防商材販売会社も多く、結局、誰も改善しようとしないというのが実情と消防関係者から聞いたことがあります。

たしかに私の知る限りでは、長期間にわたり、実践に見合っているとは思えない同じ訓練を続けるのは、世界213カ国の消防の中でも日本だけのような気がいたします。

世界の訓練の手法を学べば、本当に行わなければならない訓練はたくさんあるはずで、たとえば、アメリカの消防士達のバイブルとされ、日本語訳されている「消防業務エッセンシャルズ」の各チャプターを分析すれば、数百種類の想定訓練を作ることができ、季節や地域の災害特性に応じて、オリジナルの訓練を行い、地域消防力を高めることができると思います。

■凝縮された消防・危機管理の知識の宝庫
株式会社日本防災デザイン(JERD)
http://jerd.co.jp

もし、福島イノベーション・コースト構想の防災教育研修拠点が完成すれば、さらに、新しい消防活動のスタイルや資機材なども開発される気づきときっかけになると思います。

海外の消防事情のすべてが日本国内に役立つとは思いませんが、部分肯定しながら受け入れ、応用して実践に役立てる努力は、これからも必要だと感じます。


一般社団法人 日本防災教育訓練センター
http://irescue.jp

(了)