株式会社日立製作所(本社:東京都千代田区)と株式会社日立産業制御ソリューションズ(本社:茨城県日立市、東京都台東区)は14日、可視光によるカラー映像と赤外線による白黒映像を重ね合わせることで、赤外線を有効活用しながら同時に可視光による色情報も失わずに暗い場所*1の撮影・表示ができる、屋外設置に対応したネットワークカメラ「DI-CB322LEW」を10月から販売すると発表した。全世界共通モデルとして、順次海外でも販売を開始する。
*1 夜間、街灯などの光があり、人の目で対象物の色情報を認識できる程度の明るさがある場所。

公園や道路、駐車・駐輪場など、部分的にしか光の当たらない暗い場所での視認性を向上させ、可視光による色情報を残しつつ、可視光の弱いところは赤外線の輝度情報を重ねて映像を撮影・表示する「Color-IR技術」を搭載。部分的にしか光の当たらない暗い場所でも、色情報を失わずに映像を撮影・表示できる。明かりの少ない夜間を想定したNight(Color)モードでは、可視光が当たっている左奥部の自動車をカラーで撮影・表示するとともに、画面手前の暗部は、赤外線により白黒映像で人を認識できる。

高い防塵防水性能も実現している。IEC(国際電気標準会議)とJIS(日本工業規格)によって定められた防塵防水規格IP66*2に準拠し、街区、公園、駐車場、通学路、駅、道路・交差点など屋外に設置可能だ。
*2 JIS規格(JIS C 0920:2003)では、IP66を次のように定義している。
防塵性:耐じん形(じんあいの侵入があってはならない)
防水性:暴噴流に対して保護する(あらゆる方向からのノズルによる強力なジェット噴流水によっても有害な影響を及ぼしてはならない)

高画質・長時間記録を実現するため、FHD(1920×1080ピクセル)サイズの映像をD1(704×480ピクセル)サイズ、HD(1280×720ピクセル)サイズに縮小・圧縮するモードを搭載している。高圧縮技術によって、高精細な映像をより少ない容量で伝送・記録し、超解像処理によって高画質・長時間記録が可能になる。

電動で焦点距離を変化させることができる可変焦点レンズも搭載。従来モデルでは、カメラ設置時に手動によるピントの調整が必要だったが、カメラ設置後、パソコンまたはデジタルレコーダーにより、容易に遠隔からピント調整を行うことができる。

また、屋外に設置する場合にハウジングなどのオプション品が必要だったが、これが不要となり、設置性が向上した。

警察庁が2000年に制定、2014年8月に改定した「安全・安心まちづくり推進要綱」で、安全・安心なまちづくりの推進に係る資機材として防犯カメラが追加され、カメラの撮影映像は監視・防犯の観点から安全・安心な生活に欠くことができないものとなっている。従来の監視・防犯カメラは、可視光によるカラー映像のみでは光が当たらない暗い場所を撮影できないことや、赤外線の白黒映像のみでは色情報を判別できないことから、部分的にしか光の当たらない暗い場所でも色情報を保持したまま撮影できる技術が求められていた。

(了)