2016/10/30
世界から求められるEHS 環境、健康・衛生、安全を一体的に推進!
現在、同社のBCPは、震度6弱以上の地震とパンデミックを想定している。また、どのような災害時でも個人ベースで生き残ることをグループの方針として掲げ、社員全員にサバイバルカードを配付している。
訓練が功を奏した熊本地震
今年4月に起きた熊本地震では、SCREENグループのうち、震源地の益城町に2月に完成したばかりのスクリーン熊本と熊本市にあるSEBACSの2社が被災した。いずれも従業員20人ほどの規模で、スクリーン熊本はまだ本格稼働する前だったが、SEBACSは半導体製造装置の販売・メンテナンスなどを手がける会社で、熊本では取引先が多く、現地と本社ではそれぞれただちに対策本部を立ち上げ対応にあたった。
前震とされる4月14日の地震の翌日には、先遣隊を現地に派遣するとともに、1回目の支援物資を現地に送った。本震後は現地のニーズに応じてグループ会社からは延べ70人ほどの応援部隊が現地に駆けつけ復旧にあたり、支援物資も計8回にわたり送り届けた。「東日本大震災以降備えていたことで、自社で備蓄しているものなどをすぐに送れることができた」(西原氏)。
指揮系統も明確だった。有事対応を考えていたことに加え「昨年、経営層も巻き込み、京都本社が被災したことを想定した訓練を行っていたことで、現地と本社、そしてグループ会社が連携してスムーズにあたることができた」(同)という。
労働安全衛生も環境も可視化
労働安全衛生の取り組みとしては、発生した労働災害を重大性(休業日数と障害等級)に応じた指標として管理し、それをグラフ化することで災害の発生傾向を共有化し、早期に対策にあたれるようにしている。「経営による安全巡視」も年に1回実施。仮に緊急事態が発生するようなことがあれば、回数を増やし再発防止を徹底するという。その他、事故分析のレベルアップセミナーを開催したり、事業所ごとの訓練も強化している。特に半導体部門では危険に伴う作業が多いことから、産業ロボットにかかわる事故や、薬品混触、感電など、現場で発生し得る事故を分析した上で、体感型の訓練に力を入れているという。
世界から求められるEHS 環境、健康・衛生、安全を一体的に推進!の他の記事
- 【インタビュー】今なぜEHSなのか。欧米企業とは「大きな差」
- 【講演録】グローバル企業に求められるコンプライアンス~環境・労働安全衛生関連法規制の順守~
- 【先進事例】組織体制をシンプルに 環境を柱に一体的に推進
- 【先進事例】海外顧客の要求に応える 統合マネジメントでEHSを推進
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
-
民間企業の強みを発揮し3日でアプリ開発
1月7日、SAPジャパンに能登半島地震の災害支援の依頼が届いた。石川県庁が避難所の状況を把握するため、最前線で活動していた自衛隊やDMAT(災害派遣医療チーム)の持つ避難所データを統合する依頼だった。状況が切迫するなか、同社は3日でアプリケーションを開発した。
2024/04/11
-
-
組織ごとにバラバラなフォーマットを統一
1月3日、サイボウズの災害支援チームリーダーである柴田哲史氏のもとに、内閣府特命担当の自見英子大臣から連絡が入った。能登半島地震で被害を受けた石川県庁へのIT支援要請だった。同社は自衛隊が集めた孤立集落や避難所の情報を集約・整理し、効率的な物資輸送をサポートするシステムを提供。避難者を支援する介護支援者の管理にも力を貸した。
2024/04/10
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月9日配信アーカイブ】
【4月9日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:安全配慮義務
2024/04/09
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方