出典:Chicago Fire

1、 いつ、だれが、何のメーデーを発するのか?その発信責任は?

※前提として、隊員から現場指揮所、指令センターへのメーデーは「発信」、現場指揮所、指令センターから隊員へのメーデーは「発令」になります。

まず、メーデーの発令方法は次の3つがあります。

① 無線機を用いた言葉による具体的な情報伝達
② 携帯ライトの連続フラッシュ等を用いた光による緊急信号
③ サイレンやアラートなど音を用いた緊急信号

無線機でメーデーを3回連続して言うのは、「この発信は間違いなく【 重大で差し迫った危機状態にある】 ことを確認の上で発信しています」という意味があります。

もし特定の活動小隊からのメーデーを受信した場合、その発信内容は最優先され、いったんメーデーが発信されたら、その周波数では救助の支援となる通信以外、一切の通信は許されないことがルールとなっています。

最初の発信内容を全員が傍受した後、指令センターか現場指揮所において、要救助活動小隊に対応する直近小隊が救出を担当し、無線のチャンネル(周波数)も指定され、他の同じ現場で活動する小隊とは、別のチャンネルを使います。

他の活動小隊に無線機が3つ以上ある場合は、1台を指令センターや現場指揮所との通信用、1台を要救助活動小隊との救出内容交信に使うことも出来ます。

ただし、9.11の米国同時多発テロのように複数の小隊が同時にメーデーを発信した際、消防指令センター側よりも現場指揮所に待機する各隊の無線通信要員からの情報で救援隊を選定し、退避・救出活動を優先させます。

メーデーは責任を持って発信される必要がありますが、同時にメーデーを発信するタイミングを躊躇(ちゅうちょ)させない普段からの意識の普及も必要で、もし、結果的に誤報や未確認発信と判断されても発信者に責任を負わせない共通ルールが必要だとしています。

その理由は、メーデーの発信をためらって発信が遅れたことにより大惨事が起きてしまい、多くの殉職者や市民の死傷者を出してしまった場合、消防組織への人的損失の大きさや遺族への損害賠償は計り知れないことがわかっているからです。

メーデーを発信することにより、自分の命が助かる可能性が高くなるばかりか、
多くの生命を助け&身体を守り、大規模な財産を守ることを優先することで、隊員達にとっては当務明けに家族や待っている人の元に無事に帰ること、また、要救助者 が元の生活に戻ることにもつながります。