国立研究開発法人情報通信研究機構(本部:東京都小金井市)は、耐災害ICT研究センターとユニバーサルコミュニケーション研究所で開発している災害状況要約システム「D-SUMM(ディーサム)」(Disaster-information SUMMarizer)を18日からWEB上に試験公開した。

人工知能を用いて、Twitterに投稿された災害関連情報をリアルタイムに分析し、わかりやすく整理、要約するもの。都道府県単位または市区町村単位でエリアを指定すると、指定エリア内の被災報告を瞬時に要約し、そのエリアの被災状況の概要が一目でわかるよう提示する。重大な被災報告が多く挙がっているエリアから順に表示することで、どのエリアの被害が大きいかがすぐにわかる。

被災報告をタイプごと(地震、道路やインフラの被害、物資の不足など)に分類して、必要とする情報をすぐに見られるようにし、各種救援、避難等を支援する。大規模災害時を想定して試すことができるよう、熊本地震の際のツイートを対象とした「熊本地震試用版」を公開した。

同機構は既に、対災害SNS情報分析システムDISAANA(ディサーナ)のリアルタイム版を2015年から試験公開している。2016年の熊本地震をはじめとする災害で、Twitter上の災害関連情報へ素早くアクセスできる手段として活用されているが、「火災が発生している」「火事が起きている」など、意味的に類似する膨大な被災報告が別々に出力され、被災状況の概要を一目で把握することは困難だった。

同研究の一部は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「レジリエントな防災・減災機能の強化」(管理法人・JST)の支援を受けて実施した。

今後は、実際に救援活動等を行う組織と協力して実証実験等を行い、更なる機能追加や使い勝手の向上を図っていく。

D-SUMMは、パソコンのWebブラウザ又はタブレット端末からhttp://disaana.jp/d-summ/で利用できる。