「カテゴリー毎に要約」のボタンを押した場合

図7は、最初に熊本県を指定して、熊本地震本震発生直後12時間を時間帯として設定し、「カテゴリー毎に要約」した場合の要約の表示だ。「エリア毎に要約」ボタンを押した場合には、画面左側には自治体の名前が並んだが、「カテゴリー毎に要約」した場合には、被災報告のカテゴリー(「災害」「トラブル」「怪我」「救助」等)が並ぶ。例えば、「救助」の項を見ると、「救助・救出ください」という項目が表示されていて、その横にそのタイプの被災報告が発信されているエリアが「熊本市(49)」「南阿蘇村(9)」「阿蘇市(7)」「益城町(6)」のように、該当する被災報告の数が多い順にリストアップされる。

「エリア毎に要約」の場合と同様に、要約の中の各項目をクリックすると、元のツイートやDISAANAへの質問等が表示される。図7では、実際に南阿蘇村で緊急の救助を求めているツイートを表示している例を示しているが、このような重要な情報をD-SUMMでは数クリックで表示することができる。通常の検索エンジンで、「救助」等のキーワードを入れても、大量の有用でないツイートが表示される。その中からこうした有用なツイートを発見するには、大量のツイートを読む必要があり、短時間での作業は非常に難しくなるが、D-SUMMでは、必要な情報に短時間でアクセスすることが可能になる。


「地図表示」のボタンを押した場合

図8は、「地図表示」ボタンを押した際の要約の例を示している。地図表示ボタンを押すと、これまで操作していた画面では、カテゴリー毎の要約が表示され、さらに、新たにタブが開かれて、そこに地図を表示する画面が表示される。新規タブはポップアップとして扱われることが多く、またポップアップが制限されていることも多いので、地図表示を実行するためにポップアップを許可すること。この例の対象ツイートは、これまでと同様、熊本地震の本震から12時間分、つまり、4月16日1:30から13:30までに発信されたもの。画面左側には、被災報告のカテゴリー(「災害」、「トラブル」、「怪我」、「救助」等)がリストアップされている。各々のカテゴリーには、チェックボックス(白い四角)が左横に付いているが、それをクリックすると、該当するツイートに関係しているエリア毎に、地図上にツイート件数の大小を表すグラフと、ツイートの件数そのものが表示される。チェックボックスをもう一度クリックすると、地図上の表示は消える。グラフは、カテゴリー毎に色分けされて表示される。どのカテゴリーにどの色が割りられるかはチェックボックスをクリックした順序で決まる。例えば、図8では、画面左上に表示されているように、「災害:火災」に赤色、「救助」にオレンジ、「道路(の被害)」に黄色、「建物(の被害)」に緑色が割り当てられており、例えば、南阿蘇村周辺では救助要請(オレンジ)が出ているものの、道路の被害(黄色)や建物、インフラの被害(緑色)も出ているため、救援活動を行うには通行可能な道路を確認するなど、入念な準備が必要なことがわかる。また、広い範囲で建物の被害が報告されているが、火災の報告は一部地域に集中していることも分かる。また、図8は、地図中のグラフの一つをクリックした直後の画像であり、吹き出しで、グラフでカウントされているカテゴリーが表示されている。それらのカテゴリーをクリックすると、被災報告の抽出元のツイートが表示される。

地図表示ボタンを押した直後は、「災害」というカテゴリーのチェックボックスがクリックされた状態で地図が表示され、地震、水害等の自然災害そのものに関する報告の件数等が赤いグラフで表示される(図3右下参照)。上で説明した例を表示するためには、まず、「災害」というカテゴリーのチェックボックスをクリックして一旦表示を消し、上で述べたカテゴリーのチェックボックスを一つずつクリックする必要がある。

各カテゴリーには+の記号がチェックボックスの横にある(図8左側参照)。これをクリックすると、カテゴリーの更に詳細な分類がリスト中に表示される。例えば、「災害」の横の記号をクリックすると、「災害」カテゴリー内の更に詳細な分類(例えば、「地震」「津波・高潮」「氾濫・決壊」「土砂災害」「火災」)等がリストアップされる。図8では、「災害:火災」を赤色で地図中に表示したが、これは、「災害」カテゴリーの表示を一旦消去した後、その詳細な分類の一つである「火災」に関してチェックボックスをクリックして、地図中に表示している。また、+の記号をクリックすると、−の記号に変化します。この−の記号をクリックすると、表示された詳細な分類が閉じられ、元の表示に戻る。