【DISAANAとD-SUMMの違い】

図9は、NICTが2015年に試験公開を開始した対災害SNS情報分析システムDISAANAと、今回試験公開するD-SUMMの違いを説明している。熊本地震のような規模の災害になると、DISAANAのエリア検索モードでは、膨大な被災報告が出力される。しかも、それらの被災報告は、場所毎に整理されていないため、例えば、各市区町村等を一つずつ指定して調べる必要があった。D-SUMMでは、このような煩わしさを解消し、ボタン一つで、県下の市区町村毎に要約を作成することができる。これにより、どこで何が起きているかを把握することが短時間で可能になる。また、カテゴリー毎に要約することで、要救助者等の発見も非常に容易に行える。

一方で、DISAANAは、特に、質問応答モードで「熊本県で何が不足していますか?」のように質問を入力した場合、D-SUMMの提示する情報より確度の低い情報まで発見するように作られていて、特に重要な情報はDISAANAでも質問を入力し、検索するのがよい。また、D-SUMMで提示された情報をクリックすると、DISAANAへの問い合わせができるリンクが提示されるが、それらも、そうした目的での活用を考え、提供しているものとなる。

(了)