15、「避難所のトイレ、どれくらいの数が必要なの?」の基準も提供

 

マンホールトイレの設置基準数は「50〜100人に1基」と明記されているのも、嬉しいです。今まで明記されていなかったので、マンションなどで準備しにくかったという実情がありました。

50人に1基だと、1人1日6回(女性は5回〜10回)行くとしたら、1日300回使用されることになり、入退室時間を入れて1人平均5分利用するとしたら、1500分は使用中になります。

24時間は1440分なので、深夜も休みなく利用されて初めて、待ち時間なしが50人に1基のイメージです。実際は利用時間が重なるので、順番待ちは50人に1基でも発生するということになります。

マンホールの話題だからとか、省が違うからと参考にしないのはもったいないです。各地の避難所やマンション、職場で活用できる場面がたくさんありそうですね!

おまけ 最後におすすめ

災害時のトイレについて、編集部にはひどい状態のトイレ写真があります。見たら「なんとかしなくては」と真剣に考える人が、絶対に増えると思われる写真だそうです。

でも、同じような写真を持っている方も、とても公開できないとおっしゃいます。トイレだけではなく、裏山が・・公園が・・空き地が・・という惨状写真も公開しにくいです。そうなってしまった人たちが特に問題があるように見えてしまっても困ります。

そうではなく、事前の備えがなければ、どこでもだれでも起こりうる問題です。事実を伝えにくいので、なかなか教訓が伝わりにくいところかもしれません。イメージを持てた方から人に伝えていってほしいと思っています。

本稿の中編でも登場した弁護士法人リーガル・プロ代表で弁護士の鹿瀬島正剛氏(http://www.legal-pro.jp)から、希望を持てるお話をうかがいました。熊本地震では火事が少なかったのですが、避難所では口々にみなさんが「ブレーカーを落としてから逃げてきた」と話していたそうです。過去の地震の教訓を各自が思い出し、生かしたのですね。

次の災害には、熊本の皆さんを見習って、今度こそはトイレの教訓を生かしませんか?

そのためには、今回ご紹介した講師の方々の話をぜひ、生で聴いていただきたいと思います。思わず笑顔になる話や涙ぐむ話から、裏話もたくさんお持ちの皆さまです。リスク対策.comでもまた、災害とトイレについて何かイベントがありそうです♪お楽しみに♪

それでは皆さま、トイレを備えてよいお年をお迎えくださいね♪

(了)