ヒル・アンド・アソシエイツ・ジャパン株式会社代表取締役社長 石井弘之氏

ご都合主義な危機管理

前号では海外進出における日本企業のリスクマネジメントの問題点について、ヒル・アンド・アソシエイツ・ジャパン株式会社代表取締役社長の石井弘之氏に紹介いただいた。今号では、リスクマネジメントの手法について解説していただく。



中国において深刻な邦人死亡者数


1)変革するリスクと、ご都合主義のリスク想定 


グローバリゼーションの進展に伴い、企業が海外での事業展開において直面しうるリスクが多様化、高度化、そして複雑化しているという認識に異論はないであろう。企業は、内需が停滞する中で、高い成長力を有する海外市場へ進出するが、前号でも書いた通り、成長性の高い新興国においては、その高い経済成長の潜在力を海外から進出してきた企業が通常の取り組みをもって確実に享受することは決して容易であるとは言えない。このような国々においては、医療上や治安上の課題はもちろんのことであるが、事業を取り巻く法制や規制が未整備であったり、その執行が極めて裁量的であったり、商業慣行やビジネス倫理の相違があったり等、対応を誤ると事業に対して少なからぬ損害をもたらすリスク要因は枚挙にいとまがない。そして、逆説的な表現になるが、これらのリスク要因を十分に認知しないままに、国内事業運営の延長線上で海外においても事業展開できるという自らにとって都合の良い想定だけで進めること自体が実は最大のリスクと言えるのである。


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