東京都庁間近を飛ぶドローン

SOMPOホールディングス傘下の損害保険ジャパン日本興亜とSOMPOリスクケアマネジメント、工学院大学、理経、新宿区で構成する「チーム・新宿」は11日、ドローンを活用した日本初となる超高層ビル街での災害対応実証実験を開催。東京・新宿区の新宿中央公園にて映像撮影・送信や避難呼びかけなどを行った。

損保ジャパン日本興亜は災害時の保険金査定などにドローンを活用できる体制をとっている。今回、チーム・新宿のほか、新宿駅周辺防災対策協議会なども協力し、日本で初となる高層ビル街でのドローンを活用した災害対応実験を行うこととなった。

ドローンにはカメラとスピーカーを搭載

ドローンには可動式カメラとスピーカーを搭載。撮影映像をリアルタイムで工学院大学を経由し新宿区役所に送信。通信には災害時にもつながる4.9GHz帯無線機を使用した。通常映像以外に赤外線カメラでの撮影も行った。スピーカーを使った実験では、地上から避難誘導などのアナウンスを行い、ドローンのスピーカーから発信。上空50m、75m、100mで実験した。

鮮明な映像をリアルタイムで新宿区役所に送信した(提供:チーム・新宿)

会場には吉住健一・新宿区長も視察に訪れ、「映像もスピーカーの音声もクリア」と評価。さらに「発災時には新宿では6万~10万人の誘導を行わねばならない可能性もあり、区役所の防災室で映像を見て、誘導するのにドローンは活用できる」とした。

チーム・新宿では電波障害などが懸念される高層ビル街での今回の実験を成功と評価。今後検証を重ね、西新宿エリアから東は新宿御苑付近までドローンが活用できるよう体制作りを進める。

(了)