出典:The Huffington Post/Getty Images

こういう時代になったんだと深く感心してしまうほど、リアルで本格的な消防戦術教育ゲーム「EmergeNYC」がニューヨークで開発されています。

このゲームの人気があるのは、まず現職のニューヨーク市消防局職員、ニューヨーク市役所災害対策・危機管理部署、ニューヨーク市警察など、ニューヨークを守っている人たちが各現場での実際の動きをアドバイスしていること。

それから実際に出動している消防車両やパトカーなどを撮影。ドアの開き方から積載ボックスの資機材の配置までが同じという、徹底したリアルさが人気を呼んでいます。


出典:EmergeNYC - Firefighting, Police, EMS Open-World Game/Simulator

素晴らしいのは、このゲームを遊んでいるうちにニューヨーク市内で発生する災害に対しての消防戦術や救急車運用要領、警察対応のほぼすべてをバーチャル体験できること。

そして現場に応じた資機材の選択、その理由、判断、効果的な使い方、応用などの解説までが紹介。このため将来消防士や救急隊員、警察官になりたい人たちが事前学習することができます。

さらにスゴイのはAI(人工知能)方式により、現場の資機材や水利位置のほか火災予防条例などが変更になった場合、その情報を入力するだけで反映されます。プレーヤーが新しい戦術のアイデアを提案して、ほかのプレーヤーにも認識されれば、その戦術が実際の消防戦術にも反映される可能性が高くなります。

出典:EmergeNYC

もちろん、日々、現場で活躍している消防士や警察官から「実際にはこうならない」とか「このフォーメーションは不自然なのでこうするべき」などのツッコミなどがスレッドに自由に書かれていて、その一つ一つに開発者チームの担当者がコメントして対応・反映させているところも本気度が伝わってきます。