千代田区で開催された帰宅困難者訓練の様子

四ツ谷駅周辺地区帰宅困難者対策地域協力会は6日、千代田区帰宅困難者対応訓練を開催した。千代田区内ではほかにも飯田橋地域協力会、秋葉原地域協力会などが参加し、計359名の帰宅困難者役を安全な場所まで誘導した。

まずは参加者でシェイクアウト訓練

まず集まった参加者でシェイクアウト訓練を実施した後、東日本大震災クラスの震度5強を観測して交通機関が停止。四ツ谷駅前で帰宅困難者が滞留したという設定のもと、上智大学の聖イグナチオ教会から東京ガーデンテラス紀尾井町まで帰宅困難者役を支援者が誘導した。支援者役となった地域協力隊のメンバーは、同時にトランシーバーによる模擬情報共有訓練も行った。

簡易トイレに凝固剤を入れる参加者

誘導後は2班に分かれ、職場内での負傷者対策を想定した「応急救護訓練」と「災害時のトイレ訓練」を実施。ワイシャツやネクタイを利用した救護法や、災害時のトイレの利用法について体験した。

ワイシャツとネクタイを使った救護法

地域協力会会長のセブン-イレブン・ジャパン渉外部マネジャーの堂本敏雄氏は、「私たちは熊本地震の時に多数の災害用簡易トイレを現地に送ったが、すぐなくなってしまった。なぜならみんな1度使ったら捨ててしまったから。簡易トイレでも、今日の訓練のように凝固剤を使えば2回、3回と使えることを、もっとたくさんの人に知ってほしい」と話した。

また、千代田区副区長の山口正紀氏は講評で「千代田区の夜間人口は4万7000人だが、昼間人口は80万人。観光客なども含むいわゆる『トリップパーソン』は300万人に上るとの調査もある。帰宅困難者対策は千代田区の災害時の最重要課題の一つととらえ、今後も取り組んでいきたい」と千代田区の帰宅困難者対策の重要性について訴えた。

(了)