■東北地方のBCP
東日本大震災で大きな被害を受けた東北では、中小企業のBCP策定支援を緊急課題として新規に事業を立ち上げる動きも出ている。 

青森県では、BCPを策定したいという企業を集めたBCP策定実践塾を立ち上げる予定だ。数回にわたり講師をまねき、BCPへの取り組みを促していきたいとする。 

山形県では、これまでもBCPの普及セミナーなどを開催してきたが、3.11を受け、新たに専門家派遣制度と、企業間の連携についての研究費などの支援、普及啓発セミナー等、支援策を3本柱に体系化し直した。専門家派遣制度は、希望する企業に対して都や県内から専門家を派遣する。1回あたり4万円の講師謝礼と旅費が必要になるが、3分の2は外郭団体の財団法人が負担する。1社あたり最大5回の派遣が受けられるという。ただし、今のところ実績はない。県産業政策課では「多少の負担でも、財政状況が厳しいことからなかなか申し込みにつながらないのでは」と推測している。 

宮城県では、平成20年度から23年度まで、BCPの策定・充実に取り組む中小企業に対して専門家を派遣する制度を行ってきた。東日本大震災では、この制度を利用してBCPを策定していた複数の企業が、地震や津波で被災しながらも早期に事業を復旧している。