BCAOアワード2016では、事業継続部門で9件、防災部門で3件など選ばれた(写真はイメージです)

特定非営利活動法人事業継続推進機構(BCAO)は4日、日本の事業継続の普及と実践に貢献した個人・団体を表彰する「BCAOアワード2016」の受賞者を決定したと発表した。

事業継続部門では、大賞は該当なし、特別賞と優秀実践賞の2賞に食品加工機械製造の西光エンジニアリング株式会社、特別賞と人づくり・訓練賞の2賞にビル管理業の東急ファシリティサービス株式会社が選ばれ、ほか特別賞に2件、優秀実践賞に5件、合計9件が決まった。防災部門では、企業防災賞に西京信用金庫など3件が受賞。そのほか、BC推進特別賞には、故ナタン・リー・ローデン氏、BC推進事例賞に株式会社マイヤ、ヤマニ醤油株式会社などが選ばれた。

特別賞と優秀実践賞を受賞した西光エンジニアリングは、パートナー企業と「災害時における相互応援協定」を締結し、保守・補修から代替生産までを包含するBCPを策定、「本社が大破しても顧客へのサービスを途絶させない体制」を構築している。パートナー企業と「業務提携契約」を締結し、平常時において自社が製造・販売している装置をパートナー企業も販売するほか、両社の技術を用いて新商品の開発に取り組んでいるなど、経営改善や事業拡大に貢献する体制を構築し、事業連携を実践している。顧客からの信頼度を高めるべく静岡県信用保証協会のBCP特別保証(災害時発動型保証予約システム)の取得と維持・改善に努めている点が評価された。

特別賞と人づくり・訓練賞を受賞した東急ファシリティサービスは、BCの考え方・必要性を心底理解ができるのは経営者という信念のもと、経営トップがビルオーナー向けに「BCは経営」という視点による働きかけを行っている。BCの専門スキル保有者を確保する人材育成に尽力し、人材確保のためにも、遠隔地の同業他社や関連事業者など3社と協定を締結し、BC訓練を実施。相手会社も自社でBC演習を企画・実施するなど活動の輪が広がっている。BC訓練は、開催頻度の高さ、訓練テーマのバリエーションなど、他社でも参考にすべきところが多く、訓練に参加した顧客からの反響も大きく、BCの意識向上に大きな役割を果たしている点が重視された。

同アワードは2006年度に創設され、今回が11回目の表彰となる。
審査結果は以下のとおり。

【事業継続部門】

●大賞・・・該当なし
●特別賞、優秀実践賞・・・西光エンジニアリング株式会社
『代替場所を遠隔地に求め、平時にも経営の改善を目指すBCP』
●特別賞、人づくり・訓練賞・・・東急ファシリティサービス株式会社
『BC活動展開による施設のレジリエンス向上を通した地域社会貢献ならびに業界地位の向上をめざして』
●特別賞・・・FCAセンター相互応援コンソーシアム
『データセンターの相互応援による事業継続のための「共同備蓄・緊急配送」全国展開』
●特別賞・・・国土交通省 中国地方整備局宇部港湾・空港整備事務所
『徳山下松港・宇部港における石炭サプライチェーンの継続に関する取り組み』
●優秀実践賞・・・アクサ生命保険株式会社
『アクサ生命 戦略的なBCMへの挑戦~国土強靭化・地域活性化・産学連携強化に資する事業継続体制強化の取り組み~』
●優秀実践賞・・・日本自動車ターミナル株式会社
『公共トラックターミナルにおける事業継続および災害時支援物資輸送拠点としての防災機能強化』
●優秀実践賞・・・株式会社橋本店
『(株)橋本店のレジリエンスへの取り組み』
●優秀実践賞・・・株式会社福井組【なでしこBC連携グループ】
『なでしこBC連携による企業力向上への取組み』
●優秀実践賞・・・森松工業株式会社
『自助と共助の接点にビジネスチャンスを見出す、成長戦略としての「鬼に金棒BCP」』

【防災部門】

●企業防災賞・・・西京信用金庫
『西京信用金庫における地域防災力向上に向けて』
●企業防災賞・・・株式会社ジェイテクト
『「個人・家庭減災」を基本に置いた「職場減災」の構築・展開』
●企業防災賞・・・愛知県碧南市
『碧南市臨海部中小企業の地域連携による巨大地震対応に向けた取り組み』

【BC推進特別賞・事例賞・熊本地震「震災対応特別賞」】

●BC推進特別賞・・・ ナタン・リー・ローデン 氏 (Crisis Management & Organizational Resilience Planning、NPO法人事業継続推進機構理事)
●BC推進事例賞・・・株式会社マイヤ、ヤマニ醤油株式会社
●熊本地震「震災対応特別賞」・・・アイシン九州株式会社、金剛株式会社、ジェイウォーター株式会社、重光産業株式会社、株式会社プレシード

(了)