避難所運営マニュアルを作っている熊本の市町村は約4割にとどまる(写真は熊本地震で被災した益城町役場)

内閣府は25日、「平成28年度避難所における被災者支援に関する事例等報告書」を公表した。全国や熊本の市区町村にアンケート調査を実施。避難所運営マニュアル(手引き)の作成済みは全国では50.2%だったが、熊本県内市町村は40.6%にとどまった。

避難所運営マニュアルについて、全国自治体(1635件回答)は「作成済み」が50.2%、「作成中」が15.1%。熊本県内市町村(32件)はそれぞれ40.6%、12.5%で全国より低い数値だった。

避難所運営について住民が自主的に運営に関われる体制を想定しているかについては、全国自治体は「想定している」51.8%、「準備を始めている」が39.5%。2016年の熊本地震の際に住民が自主的に避難所運営に関われる体制づくりができていたか熊本県内市町村に聞いたところ、「具体的に検討中だった」が68.8%で最多。「取り組み中だった」が12.5%、「十分取り組まれていた」はわずか1自治体で3.1%。

NPO団体との避難所支援についての取り組みについて全国自治体の77.4%が「特に取り組みはない」と回答。「今後、検討を進めていく予定である」13.9%、「NPO団体等と実施している取り組みがある」は8.7%にとどまった。熊本県内市町村の熊本地震以前からの外部との協定締結について(複数回答可)「他自治体」56.3%、「民間企業」53.1%に対し、「地元以外のNPO団体」は6.3%、「地元NPO団体」はなし。「特に協定は結んでいなかった」は31.3%だった。

熊本地震での避難所生活で不足して困ったものについて避難者(377件、複数回答可)が回答したものは「生活用水」41.6%、「飲料水」39.0%と水が上位に。ほかに「タオルケット、寝具」24.7%、「携帯電話充電器」22.5%、「携帯トイレ・仮設トイレ」19.6%と続いた。

報告書にはアンケート結果以外に災害時に注意すべきことのほか、女性や障害者に配慮した避難所のレイアウトといったすぐれた自治体の取り組み事例などが掲載されている。

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http://www.bousai.go.jp/kohou/oshirase/pdf/20170425_02kisya.pdf

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