糸魚川火災のような木密地域中心に地域を指定し火災防御計画を策定する

消防庁は19日、「糸魚川大規模火災を踏まえた今後の消防の在り方に関する検討会報告書」を公表した。2016年12月22日の新潟県糸魚川市での大規模火災を受け、全国732の消防本部が木造住宅密集地域を始めとした危険地域を確認・指定するための手順や規定を消防庁が提示。今年度中にすべての消防本部で危険地域の指定と火災防御計画策定を目指す。

現在、全国の消防本部のうち約6割の消防本部が危険性の高い地域の指定とそのエリアでの火災防御策の策定を行っていない。消防庁では7月までに地域の確認や指定するための手順や基準のほか、火災防御計画のひな型も提示する。

防御計画では危険物施設や消防車がアクセスしにくい場所といった地域の危険要素、ポンプ車やはしご車といった出動隊の種類と台数、消火栓や防火水槽など活用する水利、避難路と避難場所を盛り込む。今夏に消防本部を対象とした研修会を行い、各消防本部がその後に地域指定と計画策定を実施。今年度中の策定完了を目指す。

また大規模火災が起こった際に近隣の消防本部が応援を待たずに駆けつける「プッシュ型応援」の実施、消防水利確保の計画策定や地元建設業協会との給水活動の協定締結、現在は対象外となっている延べ面積150m2未満の飲食店への消火器設置の義務づけといったことも提言に盛り込まれた。

消防庁では今夏までに応援体制を見直すための方策を提示。小規模飲食店の消火器設置義務づけについては今年度中に政令改正の検討を行う。

■ニュースリリースはこちら
https://www.fdma.go.jp/neuter/topics/houdou/h29/05/290519_houdou_1.pdf

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(了)