2013/03/25
誌面情報 vol36
アルジェリアの武装集団による邦人拘束・殺害事件をきっかけに、海外進出企業のリスク管理が改めて問われている。
一昨年のタイ大洪水、昨年のインド自動車工場における労働争議、中国での反日暴動に続き、日本企業に重い課題を突き付けた。
少子化高齢化に伴い、縮小傾向が確実視される日本経済は、海外に成長の道を探るしか再生を見込めない。
一方で、ビジネス・チャンスをつかむためには、同時に大きなリスクを取らざるを得ないという厳しい現実が待ち受けている。
「よほどの大企業しか海外のリスク管理には投資できない」。
多くの企業の担当者は、こう口をそろえる。しかし、リスクは、大企業、中小企業を問わずに襲いかかる。
むしろ、中堅以下の資金力が小さい企業ほど、対策に力を入れていなければ、本当の命取りになる。
先進企業の取り組みを取材すると、確かに簡単には真似ができそうにもない対策の数々に驚かされる。しかし、最も重要なことは何かと問い質せば「備えあれば憂いなし」「繰り返し取り組んでいくこと」と、ごく当たり前のことをいう。
最初からあきらめたら、ビジネス・チャンスどころか、リスクだけを取ることとなる。
先進企業の中から、必要なエッセンスを学び、まずはできる範囲で取り組みを始めることだ。
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