大火前の木造の街並みを生かした再生を目指す

新潟県糸魚川市は8日、市のほか有識者や市内関係団体、被災地区代表者などで組織する「糸魚川市駅北復興まちづくり計画推進協議会」を開催。米田徹市長への提言案をまとめた。100t規模の防火水槽整備や県境を越えた市町村との協力、木造の街並みを生かした不燃化などを2016年12月の火災が起こったエリアを中心に進める。

計画の対象地域は「重点地域」と呼ばれる被災地約4haを含めた約17ha。提言案での復興計画では1.大火に負けない消防力の強化2.大火を防ぐ街づくり3.糸魚川らしい街並み再生4.にぎわいのある街づくり5.暮らしを支える街づくり6.大火の記憶を次世代につなぐ。

消防力の強化ではこれまでの40t規模の防火水槽を100t規模に大型化。近くの日本海から海水を中継するシステムも整備する。また富山県や長野県に近いことから、県をまたいだ他市町村や建設関係の業界団体と応援協定も締結する。

街づくりでは本町通り沿道を中心に不燃化を進める。雁木(がんぎ)など伝統的な木造住宅の街並みを生かすよう、難燃化を施した木質建材で再建を進めていく。大火の記憶をつなぐためのメモリアル広場や住民の集いの場も設ける方針。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介