小池知事(中央)はボランティアや事業者の協力によるテロ対策・防犯を訴えた

東京都は21日、第15回東京都安全・安心まちづくり協議会総会を開催。協議会会長である小池百合子知事、会長代行の沖田芳樹・警視総監のほか、行政から教育庁、特別区長会、東京都市長会、東京都町村会、さらに都民・地域団体29団体、不動産業や交通といった事業者団体など31団体の代表者が出席した。今年度活動方針・計画が承認されたほか、区市町村立公園への防犯カメラ設置補助など都・警視庁の今年度活動計画が報告された。

協議会の今年度活動方針・計画は、広報・啓発や地域ボランティア活動、振り込め詐欺など特殊詐欺対策強化や危険ドラッグなど薬物対策のほか、2016年12月に再犯の防止等の推進に関する法律が施行されたことから、国の再犯防止推進計画に対応した取り組みの推進が盛り込まれた。

都の今年度新規取り組みでは区市町村立公園に防犯カメラを設置する際、都が区市町村に対し1公園あたり40万円を上限に設置費用の3分の1の補助を行う。警視庁は円山町を中心に渋谷エリアで10台のスタンドアロン型防犯カメラを年度末に設置予定。また都ではパンフレット作成など高齢者による万引き防止対策、未就学の子どもと保護者への防犯講座といった安全対策も新たに実施する。

都内の全刑法犯の認知件数は、2002年に戦後最悪の30万件超だったが、2016年は約6割減の約13万4000件。小池知事は冒頭、「『セーフシティ・東京』へ安全・安心に全力を尽くしたい。世界各地でテロが頻発している。東京は2020年オリンピック・パラリンピックを控えるだけでなく、世界有数の首都でもある。警察・行政だけでなくボランティア、事業者が協力し、事件を抑えなければならない」と挨拶。さらに「ハード・ソフト両面の対策、さらに官民連携により、縦・横・斜めをつむいだゆるぎない備えとしたい」と述べた。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介