サリンがまかれた設定で除染や救助の訓練が行われた

警視庁葛西警察署は4日、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、東京・江戸川区の葛西臨海水族園でテロ対処訓練を実施した。葛西署のほか同じ江戸川区の小松川署、小岩署、警視庁のNBC(核・生物・化学)テロ捜査隊など約200人が参加。銃やサリンを持つテロ犯が売店に人質を取って立てこもる設定で行った。

NBCテロ捜査隊が証拠を密閉容器に保存する様子

テロ犯2人が人質を取って水族園の売店に立てこもり。警察犬を活用し1人確保の後、もう1人も確保するが、その際にボトルに入ったサリンがばらまかれるというシミュレーション。化学防護服を着た警察官が倒れこんだ売店店員を救助し除染。その後にNBCテロ捜査隊が駆けつけ、ボトルの内容物を分析。密閉容器にボトルを密閉後に除染しモニタリングを行って終了した。

銃を持つ犯人取り押さえの訓練として警察犬出動も行った

同水族園は年間約150万人弱が来訪。さらに近くには五輪のカヌースラローム会場が設置される予定。葛西署の永野雅道署長は訓練後、「3年後の五輪会場がこの近くにはあるほか、大規模集客施設がソフトターゲットとなるテロが相次いでいる。関係機関と連携し、全力でテロの未然防止に努めたい」と説明。同水族園の田畑直樹園長も「水族園は不特定多数が来場する施設であり、警察などと連携をしっかりとっていきたい」と述べた。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介