避難所では高齢者や子ども、障害のある方も要注意!

りす:水分や塩分がないからと意識のない人に無理やり飲ませるというのはNGということは、通常でも言われていますが、災害時に気が動転して、すぐ医療機関にかかることができないと思うと、かえって無理に飲ませてしまおうと頑張ってしまうケースもあるように思います。しっかり意識しておきたいですね!

また、夏場の災害は熱中症対策が欠かせないことから、 この時期は、水や氷や保冷材を多めに確保しておくことが何より重要になりそうですね。

冷蔵庫の種類にもよりますが、一般的に冷凍の庫内は、隙間なくモノがつまっている方がお互いを冷やすことができるので、保冷効果が高いと言われています(冷蔵の方は逆に隙間があったほうがよく冷える)。

だから、冷凍庫に隙間があったら、保冷剤や氷をつくっておくことも大切かもしれません。ただ、もし万が一、電気も水道もとまって、備蓄も足りなかった場合、できることはあるのでしょうか?

秋冨先生:夏の災害で電気も水道も止まった状態から始まる避難生活も予想されますが、そうなると氷や保冷剤も確保しにくくなります。確保できない状況で過ごすことを前提とした計画を立てなければなりません。

りす:確保するための努力と確保できなかった場合の計画、両方大切になりますね。夏場は特に、広域避難を考えなければならないケースも多くでてくるかもしれませんね。

避難所では、高齢者や障がいのある方、こどもたちへの配慮が他の季節以上に求められそうです。

秋冨先生:熱中症のリスクが高い高齢者や子供、そして障がい者の方たちに対しては、注意して避難所の温度や風通しなどの環境に注意してみること、そして十分な休息と水分の補給を行うことが重要です。災害時にはつらい避難所生活になるかもしれませんが、炎天下で働いて水分補給に気をつけている人たちよりも、避難所でじっとしていて暑さを感じにくくなる高齢者の熱中症のリスクが高くなることを覚えておいてください。

りす:被災地でのアドバイスも、炎天下で働く方の帽子や衣類、水分補給についてはイラスト入りで注意喚起がなされるようになってきましたが、じっとしている方へのアドバイスは盲点になっている気がします。

睡眠時間や休息を他の季節以上に確保する重要性とそのための方策を事前にもっと考えておかなければならない事がわかりました。

これだけ猛暑日が続く昨今ですから、防災に関わる人も、そうでない人も、普段から4万人も緊急搬送される事態を減らし、災害時の悲劇を減らす必要性を強く感じました。

秋冨先生、お忙しいなか貴重なアドバイスいただき、ありがとうございました!

(了)