災害データ活用について中間整理を行った

内閣府を中心とした中央防災会議は7月31日、「国と地方・民間の『災害情報ハブ』推進チーム」の第2回会合を開催。座長である松本洋平・内閣府副大臣の私案として中間整理を行った。国や地方自治体、民間が災害情報を共有し、活用する情報ハブの整備に向け、ライフライン状況のワンストップでの把握や物資調達・輸送状況の見える化などを目指す。

委員には行政や学識経験者のほか交通や流通、通信、物流などの関係者が名を連ねる。中間整理ではインフラや物資のほか、携帯電話の位置活用情報などビッグデータを使った被災者の避難動向把握、指定避難所や物資集積拠点情報の共有、道路や鉄道といった交通網の被害状況や通行実績情報の共有といったことを重点テーマとした。

国が中心的役割を果たし、地方自治体の発災時の負担軽減のため、データ入力・整備を行う官民チームを作り平時から訓練を行う。実用化を進めるため2018年度予算の必要な確保を進めていく。

またSIP4D(災害情報共有システム)やG空間情報センター等の知見・取り組みの活用を図ることも検討の視点として盛り込まれ、情報共有の先進的事例としてこの場でも紹介された。防災科学技術研究所が研究主体となっているSIP4Dは九州北部豪雨でも活用。社会基盤情報流通推進協議会が運営・管理しているG空間情報センターは産・官・学の情報ハブを目指し2016年11月に設立。国や自治体からは地理院地図や地質図、民間からは通行実績や走行履歴など7月28日現在593データセットが登録されている。データ複合による付加価値をつけ、より有効な活用を目指す。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介