文科省の調査でトイレの備蓄は避難所の半数を割っていることがわかった

文部科学省は29日、4月1日現在の避難所となる公立学校施設の防災機能に関する調査の結果を発表した。避難所に指定されている全国3万994校のうち、飲料水の確保は66.4%、断水時も利用できるトイレの確保は49.5%にとどまった。

全国の公立学校3万3638校のうち、避難所に指定されているのは92.1%の3万994校で、2015年5月の前回調査比1.6ポイント上昇。避難所に指定されている学校のうち施設利用計画の策定は39.7%にとどまっている。

避難所に指定されている学校のうち、備蓄体制を取っているのが前回比8.3ポイント増の72.0%。今回新たに調査した、ペットボトルのほか耐震性貯水槽やプール水の浄水装置、井戸といった飲料水確保を行っているのは66.4%、マンホールトイレや簡易トイレといった断水時でも利用できるトイレの確保は49.5%と5割を割っている。トイレの内訳は携帯トイレや簡易トイレが33.5%、マンホールトイレが12.6%、断水時にプールの水や雨水を利用できるトイレが3.4%。発電機や蓄電池、太陽光発電設備といった電力確保は前回比9.5ポイント増の53.4%、通信設備は15.9ポイント増の77.2%。

文科省では備蓄の少ないトイレについて、「発災時に仮設トイレが地方自治体から届くまでの数日間、問題がないように確保してほしい」としており、今後も自治体に防災機能強化を呼びかけるほか、関係府省庁と必要予算の確保に努める。

■ニュースリリースはこちら
http://www.mext.go.jp/a_menu/shisetu/bousai/1394437.htm

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介