体育で使うボールで枕?!

次の2時間目は体育関連♪東京防災の215ページでは、なかなか斬新な枕の作り方が紹介されています。

出典:「東京防災」215ページ


ボールって・・・しかも、小・中学生の手垢にまみれて、外にもころころ転がったりして真っ黒になっているあのボールを枕にするの??・・・なんて思うのは、非常時なのに不謹慎でしょうか?

そもそもボールでほんとに寝られるの???寝返りで頭打ちそう・・とも思うのですが、紹介されているところを見ると、中には、頭がすっぽりはまって心地いい!という方もいらっしゃるのかもしれませんね。個人の好みかと思うので、否定はしません。

ところで、このボールですが、東京防災ではちゃんとボールとしても使うことも勧められています。

(出典:「東京防災」221ページ)

というのも、こどもたちは遊ぶことによって「安全・安心を再確認したり」「避難生活のストレスを解消したり」「心の奥に閉じ込めている感情(悲しみ・怒り・自責感・孤独感)を遊びの中で表現できる」とのこと。もっともなお話です。

(出典:「東京防災」220ページ)

となると、余計な心配ですが、学校に置いてあるボールはせいぜい50個程度です。ボールが人気すぎて、遊びたい子どもと寝たい人で奪い合いになったりはしないのでしょうか?(ないと思うけど)

これに対して、東京防災は実は解決策まで書いているのです。

(出典:「東京防災」222ページ)

子どもは新聞紙で作れと!なるほど!寝る人が優先ってことですね!ボールの奪い合いのアフターフォローまでするなんてさすがです。東京防災。それだけではありません。実はこのボール枕、232ページでは「地域でやろう防災イベント」なるページがあって、こちらでも紹介されているのです。

(出典:「東京防災」233ページ)


P234の出題例の最後は、

問題 避難所にやってきました。簡易ベットと枕を作りましょう
材料 (中略) ボール

とあり、ボール枕をぜひ作ってもらいたいという深い思い入れを感じます。

ボール枕はここでも紹介(出典:「東京防災」234ページ)

なぜ演習をやってもらってまで、ボールを枕にしてもらいたいのでしょうか?そこまで押しだったのね。ボール枕。そこで、理由を深読みしてみました。

実はボール、すごくおすすめとは言い難いですが、頭を守るヘルメット代わりに、気休め程度とはいえ、できなくはないです。

ヘルメットを被ったまま寝るのは大変ですが、空気を抜いたボールなら、すっぽり頭を入れる枕にした状態で、夜中の余震で飛び起きた時、そのまますっぽり頭に装着したままにできる!という利点が、考えられなくも・・なくはないかも・・・。

しかし、なぜ誰も、ボール枕押しの東京防災までも、「空気を抜いたボールをヘルメットにしましょう」と声を大にして言わないのでしょうか?それは、その格好があまりにもマヌケな感じがするからではないでしょうか!それゆえ、とてもイラストには書けない・・・。でも、何度も繰り返しボール枕をオススメすることで、誰かが気づいて、余震から頭を守って欲しい、そんな強い願いがボール枕押しの姿勢に現れているのかもしれません!!

ところで、東京都は避難所の数がまったく足りません。

©あんどうりす

こんな中で避難所に行くことができ、そして、学校の中でも50個程度しかないボールを枕にできる人はとても恵まれているのかもしれません。だから、私のように、「ボールで枕なんてやだ。服や布で枕つくる」とか言わずに、ボールはしっかり確保するのがよいのかもしれません。

<学び>
ボールは枕としてどうなの?