大規模災害への対応のためにも消防団員の確保は重要となっている

消防庁は20日、「消防団員の確保対策等に関する検討会」の第1回会合を開催した。消防団員の減少が進む中、団員の確保や大規模災害時の多様な役割への対応などについて議論した。年内に方向性をとりまとめる。

4月1日時点の消防団員数は前年比0.7%減の85万418人。被雇用者が73.4%を占め、近年は35~39歳より上の層の退団が目立っている。30~40代は転勤や本業の多忙といった理由も多いという。基本団員は1.0%減の83万1414人。一方で広報活動など特定の活動のみ参加する機能別団員は15.2%増の1万9004人。女性団員は4.5%増の2万4980人、学生団員は22.0%増の3970人となっている。

検討会では1.大規模災害などでの消防団の役割の多様化への対応2.多様な人材の活用3.団員の活動環境の整備―を検討事項に挙げた。災害時対応では消火・救助活動以外に避難誘導や避難所運営支援、広範囲な捜索活動といった様々な活動に対応できるよう方策を進める。多様な人材の確保では女性や学生以外に自主防災組織や企業の自衛消防組織の構成員の活用も検討する。団員の活動環境整備では代表的な退団理由やその他課題への対応を決めていく。

この日の議論では、委員から災害対応への課題や人材確保のため企業や地方自治体への協力要請、従業員が消防団に参加する企業への税制優遇などが提案された。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介