2017/10/25
防災・危機管理ニュース
東京都は24日、「東京都商品等安全対策協議会」の今年度第2回会合を開催。子どものベランダからの転落防止のため、手すりの安全対策への今後の取組案を提示した。よじ登りやすくなる手がかりや足がかりをなくしたり、エアコンの室外機を手すりから離したりといった対策が盛り込まれた。都では協議会報告書を今年度中にまとめ、消費者への注意喚起や関係する業界団体や国への情報提供と要望といった対応を行う。
子どもが住宅のベランダの手すりを越えたり、手すりの隙間をすり抜けたりしての転落防止を図る。この検討のため、国立研究開発法人・産業技術総合研究所による2歳・4歳・6歳の各7人による実証実験を実施。1.1mの高さの手すりに、足がかり部分や手のかかる部分である笠木の位置や太さといった条件を変え、子どもが上までよじ登れるか検証した。
ベランダ手すりは建築基準法で高さ1.1m以上が規定されている。この日の取組案では手すり柵面に手がかりや足がかりのないベランダ手すりの検討・開発を業界に呼びかける。また、実験の結果、笠木が柵面の真上ではなく手前にある方がよじ登りにくいことから、笠木を柵面の手前にずらした配置とすることも提唱する。注意喚起・説明事項の強化として、乗り越え防止に関するシールの使用や、住宅の入居時や引き渡し時に転落危険性について入居者に説明を行う。
エアコンの室外機や物干しを足がかりとして手すりを乗り越えることも多い。このため室外機は手すりから60cm以上離すほか、上から吊るして設置する、専用置場を設けたり戸建住宅なら1階に設置するなどベランダ以外に置く方法を記載。物干しは手すりにつけるのではなく、上から吊り下げる方法を奨励する。
(了)
リスク対策.com:斯波 祐介
防災・危機管理ニュースの他の記事
おすすめ記事
-
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月16日配信アーカイブ】
【4月16日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:熊本地震におけるBCP
2024/04/16
-
調達先の分散化で製造停止を回避
2018年の西日本豪雨で甚大な被害を受けた岡山県倉敷市真備町。オフィス家具を製造するホリグチは真備町内でも高台に立地するため、工場と事務所は無事だった。しかし通信と物流がストップ。事業を続けるため工夫を重ねた。その後、被災経験から保険を見直し、調達先も分散化。おかげで2023年5月には調達先で事故が起き仕入れがストップするも、代替先からの仕入れで解決した。
2024/04/16
-
工場が吹き飛ぶ爆発被害からの再起動
2018年の西日本豪雨で隣接するアルミ工場が爆発し、施設の一部が吹き飛ぶなど壊滅的な被害を受けた川上鉄工所。新たな設備の調達に苦労するも、8カ月後に工場の再稼働を果たす。その後、BCPの策定に取り組んだ。事業継続で最大の障害は金属の加温設備。浸水したら工場はストップする。同社は対策に動き出している。
2024/04/15
-
動きやすい対策本部のディテールを随所に
1971年にから、、50年以上にわたり首都圏の流通を支えてきた東京流通センター。物流の要としての機能だけではなく、オフィスビルやイベントホールも備える。2017年、2023年には免震装置を導入した最新の物流ビルを竣工。同社は防災対策だけではなく、BCMにも力を入れている。
2024/04/12
-
民間企業の強みを発揮し3日でアプリ開発
1月7日、SAPジャパンに能登半島地震の災害支援の依頼が届いた。石川県庁が避難所の状況を把握するため、最前線で活動していた自衛隊やDMAT(災害派遣医療チーム)の持つ避難所データを統合する依頼だった。状況が切迫するなか、同社は3日でアプリケーションを開発した。
2024/04/11
-
-
組織ごとにバラバラなフォーマットを統一
1月3日、サイボウズの災害支援チームリーダーである柴田哲史氏のもとに、内閣府特命担当の自見英子大臣から連絡が入った。能登半島地震で被害を受けた石川県庁へのIT支援要請だった。同社は自衛隊が集めた孤立集落や避難所の情報を集約・整理し、効率的な物資輸送をサポートするシステムを提供。避難者を支援する介護支援者の管理にも力を貸した。
2024/04/10
-
リスク対策.com編集長が斬る!【2024年4月9日配信アーカイブ】
【4月9日配信で取り上げた話題】今週の注目ニュースざっとタイトル振り返り/特集:安全配慮義務
2024/04/09
-
※スパム投稿防止のためコメントは編集部の承認制となっておりますが、いただいたコメントは原則、すべて掲載いたします。
※個人情報は入力しないようご注意ください。
» パスワードをお忘れの方