住宅火災は減少しているが、死者の大半を占める高齢者の安全対策は急務となっている

東京消防庁は1日、2016年の都内住宅火災・放火火災の実態について発表した。総火災件数は対前年比11.3%減の3982件だった。建物からの出火件数は5.1%減の2681件、住宅火災件数は10.6%減の1497件。建物火災に占める住宅火災の割合は55.8%で、4.5ポイント減。

住宅火災の内訳は共同住宅が958件で64.0%、それ以外の住宅が539件で36.0%だった。火災による死者は68人で13.9%減。そのうち自損を除く住宅火災による死者が61人で11.5%減。住宅火災による死者61人のうち65歳以上の高齢者は44人で、72.1%を占めている。住宅火災による死者のうち共同住宅が39.3%の24人、それ以外の住宅が60.7%の37人。

住宅火災の出火原因は「こんろ」が24.4%、「たばこ」が17.0%、「放火」が10.0%。出火箇所は「居室等」が44.6%、「台所・キッチン等」が36.0%。住宅火災のうち初期消火を実施したのが66.0%で、そのうち初期消火に成功したのが77.5%。死者が発生した住宅火災の出火原因で最多は「たばこ」で18.0%。「たばこ」のうち「火源が落下」が54.5%で火源が服などに着火したことが死因の多くを占めている。

放火火災は14.2%減の881件で、総火災件数に占める割合は1.1ポイント減の22.1%。放火のうち「建物火災」が43.6%、その他火災が51.8%、車両火災4.4%、船舶火災0.2%だった。

■ニュースリリースはこちら
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-bouanka/house/fire/h28.html

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リスク対策.com:斯波 祐介