有馬社長は12月の運用テスト開始の方針を述べた

ミューチュアル・エイド・セオリーは16日、「Guardian(ガーディアン)72」と題した、災害時に役立つ備蓄品を詰め合わせたボックスの配送事業について東京・千代田区の霞山会館で記者発表会を開催した。被災者支援の準備としての備蓄とは別に、首都直下地震に備えた企業での備蓄向けとしても販売。ふるさと納税を活用し、地方自治体に購入を要望する方針も示した。

ボックスには食料品や水、衣類、衛生用品など生活に役立つものを概ね1人向けに3日分詰め合わせる。通常時は備蓄倉庫に保管され、災害発生時に、既に1箱に詰められている「Guardian72BOX」が避難所に届けられる。価格は1箱あたり2万円。企業などからの寄付や、CSR対策費・防災対策費などでの購入を見込んでいる。「Guardian72」の取り組みは公共性の高いプロジェクトとして、BCM格付融資の対象としても認められる。

ミューチュアル社では被災者支援目的とは別に、首都直下地震対策を見込み自社備蓄品としての企業向け販売も東京23区で行う。水は入れず、価格は同じ2万円とする計画。保管は購入企業が行い、発災時は自社で利用する。

ボックスに詰められる備蓄品のイメージ

ふるさと納税では、納税者が使い道を指定できる自治体もあることから、納税時に同ボックスの購入と被災者支援に役立てるよう要望することを納税者に提案する。ミューチュアル社では12月に自治体職員を対象に、ふるさと納税による同ボックス活用について説明会を行う。

ミューチュアル社の有馬朱美社長は「12月に運用テストに着手し、1月に購入予約を受け付けたい」と述べた。2020年東京オリンピック・パラリンピックまでに日本の人口の10%にあたる約1280万セットの備蓄を目指す。このプロジェクトでは三井生命が運営をサポート。有限責任監査法人トーマツが経営アドバイザリーとなっている。ミューチュアル社は今後、事業を支えるための一般社団法人を発足させる予定。財界へ協力も呼びかける。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介