次期計画は来年度から6年間となる

東京都は1日、「東京都医療審議会」の今年度第3回会合を開催。2018~23年度までの第6次東京都保健医療計画の素案をまとめた。今月パブリックコメントの募集を実施する。災害時拠点病院の耐震化やBCP(事業継続計画)策定といった災害医療や救急についても今後の取り組みを盛り込んでいる。

都内に80カ所ある災害拠点病院については、数値は定められていないが増加を目指す。同病院の耐震化率は4月現在92.5%。この100%化を次期計画期間で目指す。BCP策定率は4月現在91.3%で、さらなる策定を目指す。災害時拠点病院における複数の通信手段の確保率は2016年度調査で76.3%、EMIS(広域災害救急医療情報システム)などを活用した訓練を実施している救急告示医療機関の割合は3月現在で61.6%にとどまっており、いずれも100%を目指す。

現在は行われていない広域医療搬送を想定した訓練の実施を年1回行う。東京DMAT(災害医療派遣チーム)の隊員数は3月1日現在1097人で、今後も1000人規模を維持。東京DMATに対するNBC(核・生物・化学)災害への研修や訓練で対応を強化する。災害時の医薬品供給体制強化へ、医薬品卸売業者の車両の一部を緊急通行車両として事前登録するほか、災害時優先携帯電話や業務用無線を用いた通信訓練も定期的に実施する。

救急では2016年の救急患者搬送数が2011年比8.3%増の69万4749件。高齢者の占める割合は4.2ポイント増の50.1%となっている。高齢者への対応強化として、保健・医療・介護の連携を推進。かかりつけ医を持たせたるほか、高齢者の具合が悪くなった際はかかりつけ医や高齢者施設の関係者が連携し、円滑な対応を目指す。また退院後に在宅医療に移行できるよう退院支援マニュアルの活用の促進や退院調整人材の調整を進める。救急相談センター(電話#7119)の認知度は2016年現在53.8%、利用件数は15万2145件で、前年比4.5%増。救急車利用減へ認知度向上と利用促進を図る。

(了)

リスク対策.com:斯波 祐介